(1) 事業概要 a) 経営塾・経営メンタリング 顧客企業の各部門、グループ企業、グローバル拠点等からの選出された次期経営幹部人材に対し、経営リーダーとしての「軸」の開発を通じた経営幹部育成を目的とした中長期のトレーニングプログラムである。内容は、同社が選任するプロフェッショナルタレントとの対話や議論を通じた個々人の経営人材としての資質の見極め、強みと弱みの把握、その後の困難な課題や役割の付与をトータルで支援するものとなっている。また、同様の層に向けてプロフェッショナルタレントとの対話を繰り返し、経営リーダーとしての意識・言葉・行動について、プロフェッショナルタレントが対象者へ実践的な指導と助言を行うメンタリングも行っている。
b) ミドルマネジメント革新 経営幹部人材層と現場をつなぐミドルマネジメント層に対し、集合研修とオンラインのグループで行うコーチング、アセスメント等を組み合わせたテーラーメード型の育成体系プログラムである。内容は、経営の一員として高い視座をもって職務にあたる意識の改革、組織能力向上のためのリーダーシップ強化、働く価値観やキャリア観の多様化に対応するピープルマネジメント力の育成等であり、ミドルマネジメント層の育成目標を各社固有の課題に合わせて行っている。
c) 組織人材開発コンサルティング 主に人事部門や経営戦略部門に対し、顧客企業の経営理念と戦略に同期した戦略実行を担う人材を、継続的に開発していくための人材開発体系の構築を行っている。同社の組織人材開発コンサルタントが、顧客企業の中長期的な経営シナリオや事業環境の変化に鑑みて人材の要件を定義し開発目標を定め、各種育成施策と投資計画に反映させていくコンサルティングである。また、同様の層に向けて組織の一体感や求心力、健全性を高め顧客企業の経営理念・ビジョン・行動指針の浸透支援も行っている。
a) 「フィッティング力」×「新ニーズ対応力」 同社では、提供するサービスにおいて基本的にヒアリング→課題仮説設定→仮説議論→プロフェッショナルタレントとの打ち合わせ→顧客企業へのプレゼンテーション→実施準備→実行→振り返り及び次回提案という流れで進めている。このなかで同社の特徴・強みとなってくる部分が、プロフェッショナルタレントに関する部分である。プロフェッショナルタレントの質の高さはもちろん、案件にアサインしなければ報酬が発生しない変動的立ち位置であるため、固定的な報酬で業績を圧迫することがない仕組みを構築している。
b) 顧客企業との中長期の関係性構築 同社の顧客は、複数の事業法人と多くの従業員を国内外拠点に展開する売上高1兆円以上の大手企業、売上高2,000万円以上1兆円未満の準大手企業であり、そのなかでも主要取引先は大手企業である。顧客とは経営塾を軸とした経営層の育成、ミドルマネジメント革新やファーストキャリア教育など複数の顧客チャネルからの取引があり、前述の方法によって顧客企業の中長期的な課題解決に向けた関係性が構築できていることから、5年以上の継続的取引顧客による売上が約74%を占めている。顧客企業と親密な関係を築くために、同社では、営業担当者は1人につき平均4~5社を担当する体制とし、顧客企業との密着度を高めている。