■株主還元策

1. 配当予想
ギグワークス<2375>は、重点分野への積極的な投資等により確固たる競争力を早期に築くことを重要な課題と認識しつつ、同時に株主に対する利益還元についても重要な経営の課題として認識している。2021年10月期は減益とはなったものの、公約どおりの配当金年8円(前期比0.67円増配)を配当した。配当性向37.3%(前期は22.5%)である。2022年10月期の配当予想は年8円(前期と同じ)、配当性向29.2%を予想する。同社は株主還元の1つの指標としてDOEを重視している。2021年10月期のDOEは4.1%(前期は4.2%)と前期に近い数字となった。DOEは配当性向×ROEに分解することができ、DOEを維持・向上する政策は、2021年10月期のようにROEが下がった局面においても配当性向でカバーすることとなり、株主還元の視点では業績下振れの影響が緩和されたと言えるだろう。なお同社は株式の流動性の向上を目的に、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っている(効力発生日は2021年4月1日)。

2. 高評価の株主優待制度
2018年10月期から始まった3種類から選べる株主優待制度が人気である。

1つ目はこども商品券である。同社は主要子会社であるギグワークスアドバリューで次世代育成支援対策推進法第13条に基づく基準適合一般事業主として厚生労働大臣より認定(くるみん認定)を受けており、グループ全体として子育てをしながら働き続けることができるよう、仕事と家庭を両立しやすい職場環境づくりを推進し、誰もが仕事と生活の調和が取れた働き方ができる「子育てサポート企業」としての一面を持つ。株主優待においても子育てをサポートするべく、全国加盟店や加盟のおもちゃ売場内等で利用できるこども商品券を贈呈する。

2つ目はビットコインである。ブロックチェーン技術が将来の社会的基盤を支える技術になると捉え、試験的に2017年7月より仮想通貨のマイニングを開始した。人材企業ならではのブロックチェーン技術への関わりの一端を知ってもらう意味も込めてビットコインを贈呈する。

3つ目は同社グループが実施している公益財団法人等への寄付となっている。

対象となる株主は毎年、4月30日、10月31日現在の株主名簿に記載または記録された同社株式1単元(100株)以上を保有する株主であり、年2回実施される。

3. 新市場区分「スタンダード市場」選択申請
東証では、2022年4月より「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編する計画である。同社は、2021年7月に、東証より「新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果について」を受領し、新市場区分における「スタンダード市場」の上場維持基準に適合していることを確認した。この結果に基づき、2021年9月には、同社取締役会において、「スタンダード市場」の選択申請を行うことを決議した。今後は、東証が定めるスケジュールに従い、新市場区分の選択申請に関する所定の手続きを進める予定である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 ギグワークス Research Memo(9):2021年10月期は配当金年8円(前期比0.67円増配)を実施