製造面では、BOM(Bill of Materials:部品表や部品構成表のこと)や3D CADなどを導入してAHUの設計から積算、製造までをデジタル化・自動化し、工程全体を一気通貫で連携するシステム基盤を構築する。SIMAプロジェクトで簡素化された作業に関しては、セル生産方式からライン生産方式へシフトしてデジタル設計・生産体制を有する新たな工場の実現につなげ、一層の生産能力の増強と効率化を図る。営業面では、製造面のバージョンアップを背景に、高精度の需要予測に基づく受注計画を策定し、体系化された営業手法・プロセスを通じて、図面・見積・納期に関する顧客の疑問にその場でリアルタイムに回答するなど、新たな営業スタイルを確立する。同社の需要予測は先行き2年後まで高精度に見通すことができ、既に営業ツールとして利用されている。このようにSIMAプロジェクトでは、営業・設計・積算・製造のすべての業務・作業において製販一体となった高効率の仕組みを標準化することを目指している。中長期的に進行するベテランの退社や人手不足にも対応できることから、同社にとってSIMAプロジェクトは社運を賭けたプロジェクトと言うことができる。