b) 農業×IT 農業×ITの分野においては、世界初のピンポイント農薬散布テクノロジーをはじめとしたAI・IoT・Roboticsの技術・プラットフォーム(農業DXサービス)を総合的に整備し、農業の省力化と高収益化を支援している。同社が開発したサービスには、ピンポイント農薬散布以外にも、ドローンを使った播種テクノジー、圃場をAI・IoTで画像・センサー解析するサービス(「Agri Field Manager」)、グライダー型ドローンを使った広域圃場管理システムなどがあり、いずれも最先端のスマート農業を支える技術となっている。また、これまで培ってきた生育予測技術や病害虫発生予察技術とドローン防除の知見を組み合わせ、最小限の農薬で最大の防除効果の実現を目指す「ピンポイントタイム散布」サービスも開始。生産者のコスト低減や消費者の安心安全な食生活に貢献すると同時に環境負荷も軽減する取り組みを積極的に進めてきている。
c) 医療×IT 同社は、医療分野においてもIoT・AI技術を組み合わせ、医療が抱える様々な課題の解決に取り組んでいる。一例を挙げると、2016年に遠隔診療サービス「ポケットドクター」を発表し、経済産業省主催「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2016」でグランプリを受賞した。2020年には、オンライン診療システムを手軽かつスピーディーに開発することができる「オンライン診療プラットフォーム」のOEM提供を開始している。さらに同年には、(株)メディカロイド(川崎重工業<7012>とシスメックス<6869>の合弁会社)が開発した国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」の運用支援、安全・効率的な手術室の活用支援及び手技の伝承・継承支援を目的としたネットワークサポートシステムのプラットフォーム「MINS(マインズ:Medicaroid Intelligent Network System)」の共同開発を行っている。「MINS」は、「hinotori」に搭載された各種センサー情報や内視鏡映像、手術室全体の映像等の情報をリアルタイムで収集・解析・提供するオープンプラットフォームであり、同社の「OPTiM Cloud IoT OS」をベースに開発されている。
同社の産業別での取り組みの成果は、AIソリューション市場シェアとして顕著に現れている。デロイト トーマツ ミック経済研究所による2020年度版の市場調査では、同社のAIソリューションは5部門(業種別売上高動向の「農林水産業」部門、「医療」部門、ユーザー従業員数300名未満の「ユーザー従業員数300名未満の売上動向」部門、測定・観察・探索市場動向の「測定・観察・探索ベンダーシェア」部門、「アプリケーション」部門)で市場シェア1位を獲得した。このうち「測定・観察・探索ベンダーシェア」にはカメラソリューションが含まれ、該当製品に「OPTiM AI Camera」がある。