a) コロナ禍の克服とニューノーマル市場の獲得 ニューノーマル市場とは、脱炭素社会の実現に貢献する業界や機器のことを指す。二酸化炭素(CO2)排出量の削減に向けた取り組みとして、企業の省エネルギー化への取り組みも必然的に高まる傾向にあり、こうした需要を確実に取り込んでいくことを目指している。取扱商材としては、インバータのほか省エネルギー可能な高効率モーターや設備機器等が挙げられる。従来は省エネルギー化につながるといってもコストが高ければ企業は購入に難色を示していたが、現在はカーボンニュートラル、あるいはSDGsへの貢献といった観点から大企業ではコスト高であっても必要な投資として捉えるようになってきている。今後はこうした動きが大企業から中堅企業へ、また中国をはじめ海外市場でも広がっていくと考えられ、省エネ対応機器を多く取り扱う同社にとって中期的に追い風になると考えられる。
b) DXを活用した戦略の構築とその実施体制の完成 同社では既述のとおり、社内のオンラインコミュニケーションツールの整備を2019年までに終えていたことから、コロナ禍であってもスムーズにリモートワーク体制にシフトすることができたほか、WMSの導入・運用によりグループ全体の物流コスト抑制も実現している。現在の取り組みとしては、省エネ化とセキュリティ対策強化を目的に社内サーバーをデータセンターに移設する作業を進めている。
c) 既存ビジネスの深耕による確実な成果のアウトプットと新規ビジネスの開拓、事業ポートフォリオの見直し 新規ビジネスとしてはCO2排出量の削減をキーワードとした案件が出てきているほか、ローカル5G案件等も出てきており、こうした案件の取り込みに注力している。