優位性あるアニメ事業のさらなる強化と発展目指す 2. 2022年8月期の新たな重点施策 同社が重点施策「Value 5」のひとつに掲げているアニメ事業は、強化と発展を目指す。様々なジャンルのアニメ編成、自主制作の『アニゲー☆イレブン!』『Anison Days(アニソン・デイズ)』などはすでに高く評価されており、収益成長のドライバーとなることが期待される。同社では、2021年8月に行われたライブイベント「Animelo Summer Live 2021 -COLORS-」を(株)ドワンゴ、(株)文化放送と共同主催した。これにより今冬にBS11独占放送が決定している。同社がアニメ事業を重点施策として注力していく姿勢のあらわれとして今後も動向に注目したい。なお、同事業については競争も激化しているものの、同社が培ってきたノウハウは非常に高く、依然として優位性は高いと考える。とりわけ「鬼滅の刃」というキラーコンテンツを放送していることも強みとなる。
特別番組として放送した音楽関連特番『GS I LOVE YOU~あの時君はすごかった!!』『追悼…なかにし礼ラスト・メッセージ』は、多くの視聴者から再放送リクエストがくるなど大きな反響を得ている。若年層以外の年齢層にも配慮した番組作りが奏功している事例の1つと言える。なお、2022年12月に同社は開局15周年となる。コロナ禍で経済全体が足踏み状態、もしくは停滞感も見られるなか、テレビ業界全体ではタイムからスポットへ出稿をシフトさせる流れもあるなど、ビジネス環境は依然として安易な楽観を許せない状況にあるが、同社のさらなる視聴者獲得のための施策を期待したい。なにより「転生したらスライムだった件」「鬼滅の刃」を筆頭とするアニメの人気番組あるいは歌謡番組でも人気コンテンツを豊富に放送している点は強みだ。キラーコンテンツの存在は、収益の安定性に繋がるほか、配信などへの新しい分野へのチャレンジも比較的容易に進めることを可能にする。