窪田製薬ホールディングス<4596>は12日、2021年12月期第3四半期(21年1月-9月)連結決算(IFRS)を発表した。事業収益がなし(前年同期は0.38億円)、営業損失が19.08億円(同19.16億円の損失)、税引前損失が19.31億円(同18.72億円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失が19.31億円(同18.72億円の損失)となった。

低分子化合物のエミクススタト塩酸塩については、スターガルト病を対象とする第3相臨床試験を2018年11月に開始し、現在も世界11カ国、29施設において継続して実施している。当該第3相臨床試験は、2020年8月にFDA(米国食品医薬品局)によりOrphan Products Clinical Trials Grants Programの助成プログラムに選定されており、3年間で総額最大163万ドル(約1.7億円)の助成金を受給する見込みとなっている。当第3四半期連結累計期間に0.60億円をその他の営業収益に計上した。

医療機器について、遠隔眼科医療モニタリングデバイス「PBOS(Patient Based Ophthalmology Suite)」は、初期型試作機の完成以降も更なる機能改善のため、AIを活用した3D生成機能などのソフトウェア改良を行いつつ、パートナー企業との共同開発、商業化の可能性を模索している。また、有人火星探査に携行可能な超小型眼科診断装置の開発をNASA(米国航空宇宙局)と共同で進め、2020年4月に同プロジェクトのフェーズ1が完了した。フェーズ2の詳細について協議を続けているが、開始時期は未定となっている。同社独自のアクティブスティミュレーション技術を活用した、近視の進行抑制、治療を目指すウェアラブル近視デバイス「クボタメガネ」については、2020年12月の初期型プロトタイプの完成に続き、当連結会計年度には、台湾における医療機器の製造許可取得を発表するなど、早期商業化へ向けた製品開発や製造販売へ向けた準備を進めるとともに、より多くのエビデンスを得るための臨床試験等を継続している。

遺伝子治療については、遺伝性網膜疾患である網膜色素変性を対象に前臨床研究を継続してきたが、当プログラムへの今後の投資を保留することで現金支出を抑制し、経営資源を開発後期にある他のプロジェクトに重点的に配分する方針とした。

2021年12月期通期の連結業績予想については、事業収益が前期比73.5%減の0.10億円、営業損失が29.00億円、税引前損失が28.00億円、親会社の所有者に帰属する当期損失が28.00億円とする期初計画を据え置いている。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 窪田製薬ホールディングス---3Q減益も、「クボタメガネ」に関する製造販売準備等を継続推進