三洋化成工業<4471>は3日、2022年3月期第1四半期(21年4月-6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比16.0%増の380.57億円、営業利益が同26.0%増の30.91億円、経常利益が同37.3%増の35.81億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同47.2%増の21.93億円となった。

生活・健康産業関連分野の売上高は前年同期比12.4%減の119.86億円、営業利益は同95.8%減の0.45億円となった。生活産業関連分野は、ポリエチレングリコールの国内外の需要が回復したこと、また製紙関連薬剤が回復したことにより、売上高は好調に推移した。健康産業関連分野は、高吸水性樹脂が主力の中国市場において顧客での急激な生産調整により販売が落ち込み、売上高は大幅に減少した。

石油・輸送機産業関連分野の売上高は前年同期比48.0%増の103.54億円、営業利益は同234.9%増の10.71億円となった。自動車産業の需要回復により、自動車シートなどに使われるポリウレタンフォーム用原料、潤滑油添加剤および自動車内装表皮材用ウレタンビーズの販売がともに好調に推移し、売上高は大幅に増加した。

プラスチック・繊維産業関連分野の売上高は前年同期比32.7%増の65.70億円、営業利益は同93.0%増の10.20億円となった。プラスチック産業関連分野は、主力の永久帯電防止剤が好調に推移したことに加え、塗料コーティング用薬剤・添加剤、塗料用バインダーとして使われる樹脂改質剤も海外向けの需要が回復し、売上高は大幅に増加した。繊維産業関連分野は、炭素繊維用薬剤の需要に対し、輸出船便の十分な確保ができず販売が減少したが、自動車産業の回復により合成皮革・弾性繊維用ウレタン樹脂、タイヤコード糸等の製造時に使用される油剤の販売が好調に推移し、売上高は大幅に増加した。

情報・電気電子産業関連分野の売上高は前年同期比26.9%増の51.01億円、営業利益は同87.7%増の6.03億円となった。情報産業関連分野は、在宅勤務の増加などに伴いオフィスでの複合機等の利用が極端に減少したが、経済活動再開などにより需要が回復し、トナーに使用されている粉砕トナー用バインダー、重合トナー用ポリエステルビーズの販売がともに好調に推移し、売上高は大幅に増加した。電気電子産業関連分野は、5Gに対応した半導体メモリ用レジストの原料やディスプレイ用樹脂の販売が大幅に増加し、売上高は好調に推移した。

環境・住設産業関連分野他の売上高は前年同期比27.5%増の40.44億円、営業利益は同65.3%増の3.52億円となった。環境産業関連分野は、高分子凝集剤の市況が低迷しており、売上高は横ばいとなった。住設産業関連分野は、国内外の需要が回復し、建築シーラント用原料および家具・断熱材などに用いられるポリウレタンフォーム用原料の販売がともに好調に推移し、売上高は大幅に増加した。

2022年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比17.4%増の1,700.00億円、営業利益が同13.1%増の135.00億円、経常利益が同12.5%増の135.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同23.6%増の90.00億円とする期初計画を据え置いている。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 三洋化成工業---1Qは2ケタ増収増益、石油・輸送機産業関連分野が好調に推移