a) エンジニアリング事業 エンジニアリング事業とは、従来、電機部門・電子部門・機械部門の3つの領域それぞれが取扱商材を単品販売してきたものを、同社が各商材を組み合わせてシステム化し、顧客最適を行った上で販売する事業となる。すなわち、エンジニアリング事業とは何か別の新しい事業ではなく、商社機能における販売手法の1つと言える。同社が同事業に注力する背景には、産業用ロボット等のFA機器の高機能化が進展し、また、需要先のニーズもそれに応じて多様化するなかで、個々の商材を単品販売するだけではこうしたニーズに対応できないこと、また、エンジニアリングという付加価値を付けることで収益性を高めると同時に、1件当たりの受注規模も大型化していくことが可能と見ているためだ。
b) グローバルSCMソリューション事業 グローバルSCMソリューション事業は、同社が以前から行ってきた調達代行や物流代行、納期管理といったサービスがルーツとなっている。同社の主要取引先のメーカー各社は大手企業ほど効率化を追求し、事業構造改革の名のもとにスリム化を行ってきた。その過程でグローバル物流や在庫管理、資材調達等の分野も人員・拠点の削減対象となり、人材が不足している状況となっている。同社のグローバルSCMソリューション事業とは、そうした状況で生じるアウトソーシングニーズを取り込むサービスとなる。顧客企業が今まで独自で各サプライヤーから電子部品や設備機器等を調達してきた機能を同社に集約することで、顧客は調達コストの低減やリードタイムの短縮といったメリットを享受することができる。