■業績見通し

2022年3月期の連結業績予想についてワコム<6727>は、売上高を前期比6.0%減の102,000百万円、営業利益を同18.0%減の11,000百万円、経常利益を同21.9%減の11,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同21.8%減の8,000百万円と、コロナ禍の影響に伴う不確実性等を踏まえ、ベースライン・シナリオに基づく減収減益を見込んでいる。

売上高は、「ブランド製品事業」及び「テクノロジーソリューション事業」がそれぞれ減収となる想定となっている。特に「ブランド製品事業」における減収幅が大きいのは、オンライン教育向けで継続的な需要増が見込まれる一方、個人の在宅趣味用途等の需要の一部減収リスクを織り込んでいることや、生産サプライチェーンにおける主要部品の調達リスクを一定程度考慮したことなどが主因である。

一方、損益面では、減収による収益の下押しに加え将来に向けた積極的な研究開発投資※の継続等により営業減益となり、営業利益率も10.8%(前期は12.4%)に低下するものの、10%を超える水準を確保する見通しとなっている。

※テクノロジー・リーダーシップ推進に向けた新製品開発、次世代技術開発等。


事業別の業績見通しと活動方針については以下のとおりである。

(1) ブランド製品事業
売上高を前期比9.1%減の51,500百万円、セグメント利益を同17.5%減の7,500百万円と見込んでいる。売上高は、オンライン教育向けで継続的な需要増が見込まれる一方、個人の在宅趣味用途等の需要の一部減少リスク等を織り込んでいる。損益面でも、上記の需要予測と将来に向けた積極的な研究開発投資等を勘案した水準となっている。

(2) テクノロジーソリューション事業
売上高を前期比2.6%減の50,500百万円、セグメント利益を同11.5%減の8,200百万円と見込んでいる。引き続き、主要顧客との強い関係を維持・発展させるとともに、教育向けをはじめとする事業機会の獲得を図る方針である。また、将来に向けた積極的な研究開発投資にも取り組む。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 ワコム Research Memo(5):2022年3月期は減収減益予想も、教育分野向け需要増は継続する見通し