■当面の事業展開

現在の主力である「SAP ERP 6.0」は2027年にメンテナンス終了予定となっており、ノムラシステムコーポレーション<3940>では、「SAP S/4 HANA」へ完全切替えとなる2027年までを大きく成長する6年として位置付けている。その時点で、「SAP S/4 HANA」を土台に、SAP ERPとビッグデータ分析、AI、IoT、クラウドの組み合わせによる競合優位を確立する。

そのためには、レベルの高い人材育成及び採用が課題となりそうだ。同社は、成長戦略を進めるため人材投資を積極的に行い、新卒社員を育てて戦力化し、着実にビジネスを遂行していく方針である。2021年12月期の利益見通しが足踏み状態になるのは、前述したように、人材投資に重点を置くため。こうした積極的な投資は将来の成長に結びつくと見ることができそうだ。


次世代戦略室によりRPA事業を推進
さらに、デジタルテクノロジーを活用したサービスを展開していくため次世代戦略室の活動に力を注いでいる。持続的成長と企業価値向上の実現を加速させることを目指し、RPAサービス推進を展開中である。次世代戦略室単独での引き合いが活性化しているもようで、今後は、ストックビジネスで、受注拡大につなげていく。足元でも、DXコンサルティングへの引き合いが活発化しており、厳しい環境下においてもDX投資を重視する企業のニーズを取り込んでいく考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 ノムラシステム Research Memo(2):後継製品にリプレイスする2027年までを飛躍の期間に