ロッカーシステム部門では、インバウンド需要が不透明ななかで、アフターコロナを見据えてリモート対策や置き配など、新たなビジネス展開が重要となる。この分野では、オンラインで注文した商品を店舗で受け取るBOPIS(Buy Online Pickup In Store)での展開を加速している。一例を挙げると、2020年11月に、店舗側システムと連携し、QRコードを使って受け渡しができる「STLシリーズ」を発売した。このロッカーは、従来店頭で受け渡していた商品を、クラウド管理されたロッカーを介して、非対面で顧客に受け渡しできる。店舗効率化と顧客への利便性提供が同時に図れることから、コロナ禍対策として多様な業態での利用が見込まれる。実際、クオール(株)が展開するクオール薬局や(株)まろんが展開するマロン薬局等で、処方箋医薬品等を非対面で店頭受渡しするロッカーとして採用されている。今後は、スーパー、ホームセンター、クリーニングなどの業態にも拡大が見込まれることから新たな展開が期待される。また、ターミナルロッカーについては、スマートフォンでコインロッカーの予約ができる「スマホdeロッカー」が都営地下鉄に採用されているが、ネットワークによる管理機能に対応した「ICカード対応AISシリーズ」の投入などにより、更なる事業の拡大を目指す。なお、「ICカード対応AISシリーズ」については、東日本旅客鉄道<9020>グループの(株)鉄道会館が運営する東京駅ナカ施設「グランスタ」の人気商品をECサイト「ネットでエキナカ」で受け付け、構内で運用する「ICカード対応AISシリーズ」コインロッカーで受け取れるサービスの実証実験も実施しており新たな展開が期待される。