スカラ<4845>は15日、2021年6月期第2四半期(20年7月-12月)連結決算(IFRS)を発表した。Non-GAAP 指標に基づく経営指標等については、売上収益が前年同期比17.5%増の42.85億円、営業利益が同76.5%減の0.68億円、税引前利益が同82.0%減の0.50億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同50.2%減の1.67億円となった。

IT/AI/IoT/DX事業の売上収益は前年同期比5.8%減の19.33億円、セグメント利益は同27.5%減の3.05億円となった。既存サービスは、コロナ禍における企業のコスト削減やコンタクトセンターの業務縮小、マーケティング施策の中止又は延期などにより、関連サービスの一部解約が発生しており、月額のストック売上収益は短期的に減少している。一方、テレワークコミュニケーションをサポートする主力サービスの「i-ask」や「i-assist」「i-livechat」は、導入検討が長期化する中でも新規導入は進行している。
また、自治体向けの官民共創プラットフォームに、デジタルIDアプリ「xID」と連携したサービスが採用され、生命保険や地方銀行への導入が見込まれるとしている。大型案件としては、シノケングループ<8909>との不動産トラストDXサービスの共同開発が進んでおり、損保ジャパンの運転診断サービスを活用した案件の受注も見込んでいる。

カスタマーサポート事業の売上収益は前年同期比6.0%減の10.38億円、セグメント利益は同61.1%減の0.04億円となった。カスタマーサポートコンサルティング業務の受託を行っているレオコネクトは、追加の業務委託案件の獲得に向けた営業活動を進めているが、コロナ禍において光通信グループ各社の新規商材販売に対するコールセンター立ち上げ案件の減少の影響を受けており、短期的に追加受注が難しい状況となっている。

人材・教育事業の売上収益は6.57億円、セグメント損失は1.31億円となった。第2四半期連結会計期間は新卒採用の合同説明会の開催準備期間となるため、売上収益において季節変動の影響を受けることに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大により、対面での営業が困難な状況が生じるとともに、採用イベントが一部Webでの開催に変更になったことにより、顧客企業へのイベントブース販売単価の低下が生じている。一方、保育園やスポーツ教室の運営は、新型コロナウイルス感染症の影響として合宿が行えない等の影響こそあったものの、その影響を軽微な程度に抑えることで、売上は順調に推移した。

EC事業の売上収益は前年同期比27.1%増の6.20億円、セグメント利益は同52.9%増の0.76億円となった。スカラプレイスにおいてトレーディングカードゲームの買取と販売および攻略サイトの機能を備えたリユースECサイトを運営している。特に内製化システムの継続的な改修改善やSEOをはじめとしたデジタルマーケティングを集中的に取り組んだ。

投資・インキュベーション事業の売上収益は0.36億円、セグメント損失は1.28億円(前年同期は1.70億円の損失)となった。グループ内で投資先発掘から投資実行、価値創造経営支援、DX支援、インベスターリレーション支援による株主価値増大をワンストップでシームレスに行う体制を構築し、模倣困難な競争優位性の確保を目指している。実際に、子会社のジェイ・フェニックス・リサーチによる価値創造支援とDX支援は案件数が増加しており、また、企業と自治体のマッチングを促進する新たなサービスがPublic dots & Company(東京都渋谷区)との共同開発で進んでいる。

2021年6月期通期の連結業績予想(IFRS)は、売上収益が90.00~120.00億円、営業利益が1.00~5.00億円、税引前利益が1.00~5.00億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が27.00~31.00億円とする、2020年11月16日に公表した連結業績予想を据え置いている。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 スカラ---2Qは17.5%増収。テレワークをサポートする主力サービスで新規導入が進行