シンバイオ製薬<4582>は4日、2020年12月期決算を発表した。売上高が前期比5.3%増の29.87億円、営業損失が45.06億円(前期は43.01億円の損失)、経常損失が46.15億円(同43.76億円の損失)、当期純損失が40.90億円(同43.76億円の損失)となった。

国内事業について、2018年10月よりトレアキシン(R)の国内販売について自社による販売体制構築の準備を開始した。当期においては、地域のニーズをくみ上げることで地域のニーズに合致したきめ細かい提案を企画し、より高い生産性をもつ営業組織体制を確立するため、医薬情報担当者53名を全国に配置するとともに、「ヘマトロジー・エキスパート」9名を各地域に配置した。また、全国流通体制を確立するため、スズケン<9987>及び東邦薬品との間で医薬品売買に関する取引基本契約の締結を完了し、両社を総代理店として取引を開始した。全国物流体制の構築は、エス・ディ・コラボとの取引を開始し、東日本と西日本の2拠点に物流センターを設置した。これによって自社による販売体制の構築は完了し、2020年12月には自社によるトレアキシン(R)販売体制へ移行した。自社販売体制への移行により今後の事業展開を盤石なものとなった。

海外事業について、トレアキシン(R)は、韓国、台湾、シンガポールにおいても販売されており、同社の製品売上は計画通りに推移した。

新規開発候補品の導入については、2019年9月に導入した抗ウイルス薬ブリンシドフォビルのグローバル開発計画の推進に当面は注力するものの、従来からの取り組みである常時複数のライセンス案件の検討と新薬開発候補品のライセンス権利取得に向けた探索評価の継続的な実施を通じて、収益性と成長性を兼ね備えたバイオ製薬企業として長期的な事業価値の創造を目指すとしている。

当年度の売上高は、トレアキシン(R)の製品販売等により、売上高全体で増収となった。一方、販売費及び一般管理費は、トレアキシン(R)の注射剤及びリゴセルチブの注射剤の臨床試験費用が発生したこと等により、研究開発費として22.66億円(前期比7.2%減)を、自社販売体制の構築のための事前投資を含め、その他の販売費及び一般管理費として31.06億円(同14.0%増)を計上したことから、合計で53.73億円(同4.0%増)となった。

2021年12月期通期の業績予想については、売上高が前期比206.4%増の91.51億円、営業利益が13.61億円、経常利益が13.50億円、当期純利益が11.49億円を見込んでいる。売上高は、自社販売への移行もあり、トレアキシン(R)の国内の製品売上が伸長し、前年度から大幅な増収となる見込みとしている。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 シンバイオ製薬---20年12月期増収、21年12月期はトレアキシン(R)の国内売上が伸長する見込み