1. 中期経営計画の成果 テノックス<1905>は中期経営計画「To The Next Future 2018-2020」を策定し、創立50周年の2021年3月期に、売上高220億円、経常利益15億円、ROE8%以上を目指していた。ところが、中期経営計画最終年度にコロナが世界的に拡大、経済環境にはリーマンショック以上の影響があるかもしれないという状況となり、同社も中期経営計画の定量目標の達成が難しくなったといえる。しかし、定性目標は一定の成果を上げることができた。同社は、「テノックスブランドの向上と新たなステージに向けて」進化していくため、1)市場や顧客から求められる安全・品質面での信頼性の確保、2)新技術や新サービスの創出による新たなイノベーション、3)生産性の向上、4)受注力の強化、5)将来の中核セグメントとしての海外事業の橋頭堡づくり——といった5つの課題の解消を定性目標とした。その課題解消へ向けた目標別の重点施策と成果は次のとおりである。
なお、2020年4月に、ESG経営の推進を目的に「事業企画部(ESG推進グループ)」を設立した。所有・運用する建設機械の燃料として、天然ガス由来の硫黄分を含まないパラフィン系燃料「GTL(Gas to Liquid)燃料」の使用を開始した。燃費は軽油と同等で、CO2、NOx(窒素酸化物)、PM(ばい煙・粉じん等の粒子物質)の排出量が少ないという特徴のある環境配慮型軽油代替燃料である。現在、東京機材センターに導入しているが、今後は杭打ち機などでの使用を拡大していく方針だ。