■中長期の成長戦略

フリービット<3843>は次期中期経営計画に向けた移行期間のなか、新たな取り組みである「ゾーンマネジメント」の実践に向け、組織構造を変更した。ゾーンマネジメントとは、事業やリソース、社内における機能などを、性質の異なる4つのゾーンに振り分けて効率管理・運営しようとする取り組みである。

これにより、たとえばインキュベーションゾーンにある新規ビジネスにリソースを制約なく集中投下することで従来よりも迅速に収益化しやすくなるほか、トランスフォーメーションゾーンで開発した技術をパフォーマンスゾーンにある事業に垣根を越えて応用し、収益性をさらに高めるといった取り組みが可能となる。また、パフォーマンスゾーンに分類されている安定収益事業が外部環境の変化などによって脅威にさらされた場合には、その事業をトランスフォーメーションゾーンに移行させて変革を図ることで、外部環境の変化に適応させることができる。

業績面では、この体制のもと純利益の水準も安定的に成長していくと弊社では予想する。同社では過去、売上高や営業利益が堅調に伸びる一方で、既存事業に関連した減損損失が純利益を圧迫するといった状況がしばしば見受けられた。しかし、上記のように組織構造や事業ポートフォリオ全体で柔軟性・迅速性が改善したことで、各事業における収益性を高めやすくなったほか、外部環境の変化などに対してより効果的に対応できるようになった。結果として、各資産グループにおける経済的価値が毀損しづらい体制が整ったと弊社は判断する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 FB Research Memo(3):事業部制廃止と「ゾーンマネジメント」導入で、収益性向上の基盤固まる