a) 医療分野 医療分野では、クラウドPACS「NOBORI」の成長が続く見通し。PACS市場全体におけるクラウド比率はまだ低く、オンプレミス型からのリプレイス需要が期待できるほか、小規模医療施設からの新規需要も見込まれる。また、エムスリーと共同で展開している医用画像診断支援AIプラットフォーム事業も、今後有料化への移行による売上増が期待される。規模的にはまだ小さく直接的な影響は軽微なものの、同サービスの利用をきっかけに「NOBORI」ユーザーが増える可能性がある。
b) ビジネスソリューション分野 ビジネスソリューション分野では金融分野で、2020年7月より新たに開始した信用リスクの計測サービスが注目される。FinancialCAD社の金融商品評価・分析ツール「F3」を用いて行うマージナルCVA※計測サービスがそれで、2021年4月よりデリバティブ商品の時価算定において、CVAを時価に反映させることが求められるようになったことから、同サービスの需要も増加すると見ている。既に、大手銀行や地方銀行を中心に受注も進んでおり、下期以降の収益貢献が見込まれる。
※CVA(Credit Value Adjustment):金融機関のリスク管理で使われる指標で、カウンターパーティの信用リスクに関する市場価値を表す。CVA=リスクフリーのポートフォリオの市場価値−カウンターパーティの倒産確率を考慮したポートフォリオの市場価値。
c) CRM分野、ソフトウェア品質保証分野 CRM分野については足元、やや受注面で勢いが鈍化してきたが、今後も機能強化に取り組みながら成長を目指していく考えだ。なお、CRM分野では毎年、2月前後に東京と大阪で日本最大級のコンタクトセンター関係者向けイベントを開催してきたが、2021年は2月に3日間オンラインでの開催を予定している。