a) 医療分野 分野別の売上動向を見ると、医療分野は「NOBORI」の契約施設数が順調に増加し、前年同期比で1ケタ増収となった。既存顧客の契約更新や他社製品からのリプレイスだけでなく、最近は小規模医療施設の契約件数も増え始めているようだ。一方で、コンシューマ(患者)をターゲットとしたPHRサービスの開発や、AIを活用した医用画像診断支援システムの共同開発等の先行投資も継続して実施した。
b) CRM分野 CRM分野では、引き続きFAQナレッジ管理システム「FastAnswer2」の新バージョン※1や、コンタクトセンターCRMシステム「FastHelp5」の新バージョン※2の評価が高く、大手SIベンダーやテレマーケティング・ベンダーとの業務提携、クラウド需要の拡大、認知度の向上などによって、売上高は前年同期比2ケタ増と好調を持続した。コロナ禍においてコンタクトセンターでも在宅勤務を導入、または導入を検討している企業が増えており、在宅化に対応したITソリューション(メール・チャット機能の拡充、FAQコンテンツの充実)の強化を図ったことも好調の要因となっている。ただ、CRM分野の需要は景気に対してやや遅れる傾向があり、下期の受注動向については慎重に見ておく必要がある。
c) ソフトウェア品質保証分野 ソフトウェア品質保証分野は、旧会計基準ベースで前年同期比2ケタ減収と低調に推移した。コロナ禍の影響で、組込みソフトウェア開発分野における新規顧客獲得を目的とした大規模展示会の開催が中止となり、2021年3月期第1四半期の受注が大きく落ち込んだこと、また、金融機関や企業向けを対象としたエンタープライズ系のソフトウェア開発分野においても、プロジェクト着手時期の遅れや棚上げとなる案件が増え、減収要因となった。なお、組込みソフトウェア開発分野の受注は、第2四半期以降回復基調にある。