■要約

テックポイント・インク<6697>は、監視(防犯)カメラシステム及び車載カメラシステム向けの受送信半導体の設計開発、マーケティング、販売を行っているファブレス半導体企業である。自社工場を保有せず、外部の製造専門会社に製造を委託するビジネスモデルである点が特徴で、半導体の設計及び販売・マーケティングにリソースを集中させることで、効率の良い経営を目指している。

1. 2020年12月期第2四半期決算概要(米国基準)
2020年12月期第2四半期決算(米国基準)は売上高14,609千米ドル(1,573百万円※、前年同期比19.8%増)、営業利益472千米ドル(50百万円※、前年同期は365千米ドルの損失)、税引前四半期純利益626千米ドル(67百万円※、同326千米ドルの損失)、当社株主に帰属する四半期純利益482千米ドル(51百万円※、同283千米ドルの損失)となり、2ケタ増収及び営業利益、税引前四半期純利益、当社株主に帰属する四半期純利益など各利益は黒字に転じた。

※連結財務書類は米ドルで表示されており、円で表示している金額は、便宜上、2020年6月30日現在の三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場の仲値に基づき1米ドル107.74円で換算された金額


2. 2020年12月期の見通し
2020年12月期通期予想を未定としているが、車載カメラシステム市場向け製品については、下期(第3四半期及び第4四半期)において例年同様の季節性要因による需要の増加が見込まれる。また、車載機器メーカーによる新規の採用済案件を新型コロナウイルスのパンデミック前に多数確保していることから、新型コロナウイルスが世界的に収束してくれば、車載カメラシステム市場向け製品の下期売上は増加すると会社側は予想しているようだ。

3. CMOSセンサー投入による事業規模拡大
同社は自社において2016年から画素数が800万画素の4Kカメラ向けCMOSセンサーの開発を進めているが、2020年6月末にサンプル品が到着して、その後社内で撮影画像データの評価を行っており、評価結果は非常に良好のようである。2020年後半から顧客へのサンプル出荷、2021年12月期第2四半期には量産出荷が始まる予定であり、CMOSセンサーという、これまでゼロであった事業分野において規模拡大が見込まれることになる。また、監視カメラのうち、これまではアナログ・カメラ市場のみ対象にしていたが、CMOSセンサーの投入によって、成長が拡大しているIPカメラ製品にも販売できるようになる。これにより、すべての監視カメラ、監視カメラメーカーが潜在顧客となるためCMOSセンサーが今後同社の成長性を高めることが見込めると弊社では考えている。

■Key Points
・地域別売上比率はリスクファクターであった1社依存状態が軽減
・車載機器メーカーによる新規採用案件100件以上獲得
・CMOSセンサーは2021年12月期第2四半期には量産出荷が始まる

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 テックポイント Research Memo(1):監視(防犯)・車載カメラシステム向け受送信半導体を扱うファブレス企業