■業績動向

2. 2020年12月期第2四半期のトピックス
(1) オンライン学習授業の見直し機運が高まる
2020年12月期第2四半期最大のトピックスは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で世界的にオンライン、テレワーク等への見直し機運(需要)が高まったことだが、すららネット<3998>が位置する教育業界も例外ではない。既にその傾向は契約学校数、ID数等に現れているが、これは一時的なものではなく、今後も持続するものと思われる。

(2) 公立学校からの契約を獲得
既述のとおり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一時的に休校している小中高校への支援として、2020年3月からGW明けまでの期間に、国公立・私立学校369校へ約15万IDを無償で発行した。この無償期間後も、鳥取県、大分県、多摩市、三鷹市、前橋市、香里ヌヴェール学院など無料ID配布先からの契約を獲得している。これまで同社は、主に私立学校に対してサービスを提供してきたが、今回の件を契機に新たに公立学校向けの市場が広がったと言える。

(3) GIGAスクール構想、EdTech補助金に伴う自治体・公立学校からの引き合い増加
新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、GIGAスクール構想やEdTech補助金に伴う自治体・公立学校からの引き合いが増加している。2020年12月期第2四半期業績には直接寄与していないものの、今後の需要増が期待できる。特にGIGAスクール構想は2021年度(2021年4月以降)から本格化する見込みであることから、2021年12月期の業績に大きく寄与することが期待される。

(4) 全国規模の大手学習塾から初の契約獲得
これまで同社がサービスを提供する学習塾は、どちらかと言えば小規模であり個人経営の塾が多かった。しかし2020年12月期第1四半期に、初めて全国規模の大手学習塾から契約を獲得した。今後は、この学習塾だけでも契約数が増加する可能性があるが、さらに同規模の学習塾に対しても横展開を行う計画である。

(5) 海外最大級のバンコク日本人学校と契約
海外事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でスリランカ、インドネシアでは休校が続き、学校・塾での新規契約・活用に影響が出ているが、海外最大級のバンコク日本人学校と契約したことに加え、その後もマニラの日本人学校とも契約した。今後は各地での日本人学校との契約が期待できそうだ。また新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、海外各地の駐在員の子弟の在宅オンライン学習需要の兆しがあり、自宅のインターネット環境、ノートPCやタブレットなどの環境整備が進むに伴い、徐々に拡大が見込まれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 すららネット Research Memo(6):2020年12月期第2四半期の営業利益は期初計画を上回る(2)