医療機器について、在宅で網膜の状態の測定を可能にする遠隔眼科医療モニタリングデバイス「PBOS(Patient Based Ophthalmology Suite)」は、量産型試作機の開発を進め、初期型の試作機が完成した。現在は、更なる機能改善のため、AI(人口知能)を活用した3D生成機能などのソフトウェア改良を行いつつ、パートナー企業との共同開発、商業化の可能性を模索している。 また、有人火星探査に携行可能な超小型眼科診断装置の開発をNASA(米国航空宇宙局)と共同で進めているが、2020年4月に同プロジェクトのフェーズ1が完了した。これに伴い、TRISH(Translational Research Institute for Space and Health : NASAとの共同契約を通じた提携により、NASAのディープスペースミッションにおける、宇宙飛行士の精神的、身体的健康を保護、維持するための革新的な技術に資金供与を行うコンソーシアム)より受領した開発受託金を、事業収益に計上した。 PBOSに次ぐ医療機器プロジェクトとして、独自のアクティブスティミュレーション技術「クボタメガネ・テクノロジー」を活用した、近視の進行を抑制するウェアラブル近視デバイスの開発も行っている。2020年5月には、卓上デバイスでの効果検証において、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が対照眼と比較して短縮することを確認した。これを受け、2020年6月30日(日本時間)より、ウェアラブルデバイスにおける米国での概念実証(POC)試験を開始し、継続している。