(2) 個別戦略 a) 出版事業 出版事業の重点戦略として、ボーンデジタルとUGC(User Generated Contents)の強化(カクヨムロイヤルティプログラム等)、紙以外発の新規IP創出(Vtuber、WEBTOON※の開発、映像やゲームの原作開発)、海外現地制作及び海外企業との合作推進、電子書籍展開/世界展開(コミックの世界同時立ち上げ、ブックウォーカーの世界展開)等を推進していく。
※WEBTOONとはデジタルコミックの一種。
b) 映像・ゲーム事業 映像・ゲーム事業の重点戦略として、グローバル作品の開発(グローバル人材の招聘やグローバル企業との連携)、海外OTT※との連携(大型ライセンスや共同制作、自社アニメスタジオの設立/出資等)、海外マーケティング強化(新規海外拠点設立、マーケティング人員強化)、アニメとゲームの連動(アニメIPゲームの開発等)に取り組んでいく。
※OTT(Over the Top)とは、動画・音声などのコンテンツをインターネットで配信するサービスプロバイダーを指す。
c) Webサービス・その他事業 その他では、製販文化発信一体型施設となる「ところざわサクラタウン」の立ち上げ、リアルイベント&グッズ展開(グローバル展開を視野に入れた企画開発、複合型エンタテインメントショップ「アニメデッキ」や「ハレスタ」などの顧客接点強化)、Webサービスのファンコミュニティ強化(「ニコニコチャンネル」拡大等)、新たなデジタル体験の取り組み(教育事業の成長、サブスクリプションサービスの開発等)に注力していく。
■ESG/SDGsの取り組みについて
同社ではESGやSDGsを意識した経営にも取り組んでいる。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)という、企業が長期的な成長を実現していくために取り組むべき3つの要素の頭文字をとったもので、最近では機関投資家の間でも企業投資の際の評価基準としてESGへの取組状況を見るケースが増えている。またSDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)という、持続可能な社会を実現していくために必要となる17の開発目標の略称で、2015年の国連サミットで採択された。テーマは貧困問題や健康、教育、エネルギー、環境など多岐にわたっており、これら開発目標の中から、自社の業容に合わせて該当する目標を設定し、どのように取り組んでいるかを明らかにする企業が増えている。