窪田製薬ホールディングス<4596>は14日、2020年12月期第1四半期(20年1月-3月)連結決算(IFRS)を発表した。事業収益が0.00億円(前年同期は0.00億円)、営業損失が7.41億円(同7.50億円の損失)、税引前損失が7.13億円(同6.96億円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失が7.13億円(同6.96億円の損失)となった。

低分子化合物について、エミクススタト塩酸塩は、2018年11月に開始したスターガルト病を対象とする第3相臨床試験を継続して実施した。スターガルト病は希少疾病であるため、一般的な疾患に比べて被験者登録に時間を要するとされるが、当第1四半期連結累計期間は順調に被験者登録が進展した。この結果、2019年12月末現在で目標の約半数であった被験者登録数は、2020年3月末にはほぼ目標の被験者登録数に近い水準に到達した。
なお、被験者登録は決算発表直前の2020年5月1日に完了しており、最終的な被験者登録数は世界11カ国、29施設において当初目標登録数を32名上回る194名となった。
エミクススタト塩酸塩は、スターガルト病の新規治療薬候補として、2017年1月にFDA(米国食品医薬品局)、2019年6月にEMA(欧州医薬品庁)よりオーファンドラッグ指定を受けている。エミクススタト塩酸塩は、他にも増殖糖尿病網膜症を対象とする第2相臨床試験を2017年度に実施している。当該臨床試験の解析の結果、エミクススタト塩酸塩が黄斑浮腫を改善する可能性が示唆されたが、第3相臨床試験は規模も大きく、多額の研究開発資金が必要になるため、パートナー企業との共同開発の可能性を模索している。

医療機器について、在宅で網膜の状態の測定を可能にする遠隔眼科医療モニタリングデバイス「PBOS(Patient Based Ophthalmology Suite)」は、2018年に米国で実施した臨床試験において良好な結果が得られ、量産型試作機の開発を進めた。また、NASA(米国航空宇宙局)のディープスペースミッションに向けて、2019年3月に米国のTRISH(Translational Research Institute for Space and Health: NASAとの共同契約を通じた提携により、NASAのディープスペースミッションにおける、宇宙飛行士の精神的、身体的健康を保護、維持するための革新的な技術に資金供与を行うコンソーシアム)と小型OCT(光干渉断層計)の開発受託契約を締結し、宇宙飛行士モニタリング機器(フェーズ1)の開発を行っている。当第1四半期連結累計期間においては、フェーズ1の完了に向けてNASAへのデモンストレーション実施や、報告書作成などを行った。なお、開発に要する費用はTRISHを通じて助成される。

遺伝子治療については、遺伝性網膜疾患である網膜色素変性を対象として、プロモーター及びカプシドの改良、導入遺伝子の改変といった前臨床研究を継続した。

2020年12月期通期の連結業績予想については、早期研究段階の医薬品、医療機器プロジェクトへの投資増額、エミクススタト塩酸塩のスターガルト病を対象とする第3相臨床試験費用の増加等により研究開発費が5億円増加する見込み。これに伴い、事業収益が0.40億円、営業損失が30.00億円、税引前損失が29.00億円、親会社の所有者に帰属する当期損失が29.00億円と直近の計画よりも赤字幅が拡大している。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 窪田製薬ホールディングス---1Qはスターガルト病を対象とする第3相臨床試験を継続して実施