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仲間数名と起業した学生ベンチャーも今では従業員270名を超える一部上場企業である。若手起業家のアイコンとして見られることについてどう思うのかという質問にも「もっと偉大な経営者がいますよ」と笑う。
早稲田大学に入学した2005年、公開講座である「ベンチャー起業家養成基礎講座」を受講し、大いに刺激を受けた。この講座では、ディー・エヌ・エー<2432>の南場智子会長などが登壇し、創業の思いや経験を学生に向けて語ったほか、GMOインターネット<9449>の熊谷正寿会長やサイバーエージェント<4751>の藤田晋社長など、キラ星のようなベンチャー経営者に触れる機会もあったという。
現在では、村上社長も、同公開講座を始め、様々な大学から講師を依頼される側である。
「起業という生き方もあるんだということを若い人たちに貴重な経験として伝えたいですね」
経営者の祖父2人をもつ村上社長は小学生のころからいつかは起業しようと思っていたのだという。現在も主力のアルバイト求人サイトは、自身が高校生時代、アルバイトの求人広告の貼り紙を見て、なぜインターネットに広告を出さないのだろうと思ったことがきっかけだ。高校生のときには既に、起業のために仲間を募っていた。大学生になったら上述の公開講座を絶対に受講しようと決心していたのだという。
現在、同社の事業別売上構成比は、求人情報メディア事業が84%を占め、不動産情報メディア事業が14%である。求人メディア情報事業の内訳は、祖業であるアルバイト求人サイト「マッハバイト」、口コミ付き転職サービス「転職会議」、正社員転職サイト「転職ナビ」、新卒就活サービス「就活会議」、競争入札型転職サービス「転職ドラフト」等で構成されている。「マッハバイト」は、採用となった際に払われる「祝い金」が好評で、同社の大きな強みとなっており、某顧客満足度調査のアルバイト情報サイトのランキングでは総合1位を獲得している。
創業から14年間、経営の最前線で走り続ける村上社長はどうやってリラックスしているのか。
「映画やテレビ番組を見たりしますね。最近では『天才の頭の中:ビルゲイツを解読する』という海外のドキュメンタリー番組をNetflixで見ました。ポリオの撲滅への情熱など、彼の考え方を知ることができて素晴らしかったです。IT企業の経営者であれば、たいてい見ていると思います。何でも経営と結びつけて考えてしまうんですよね」と笑う。
「事業の規模をもっと大きくして、社会に大きなインパクトを与えたいんです」と語る村上社長は、創業時と変わらずエネルギッシュだった。
<SF>