(1) 物流インフラの強化 a) 投資ファンドを通じたネットワーク化 国内の物流会社は約6万社強あると言われており、その大半は地域の中堅・中小企業となっている。これら企業の中では現在、後継者難や運転手をはじめとした人手不足により、厳しい経営状況に置かれている企業も少なくない。同社は、こうした企業の経営を支援しながら、持続的成長に向けたネットワークの構築を進めていく戦略を打ち出している。
b) 物流センター開発計画 同社は現在、グループで約50万坪の倉庫面積を保有しているが、中期的には約2倍となる100万坪に拡大していくことを目標に掲げている。今後の物流施設開設予定としては、賃貸物件で「城南島物流センター」(東京都大田区)が2020年3月、「横浜幸浦物流センター(仮称)」が2020年秋にそれぞれ稼働する予定である。「城南島物流センター」はSBSリコーロジスティクスの既存センター隣接地にあり、従来、近隣に賃借していたセンターの集約化と増床を図る目的で開設した。既に、SBSリコーロジスティクスとSBSロジコムの顧客で埋まりつつあり、ワイン倉庫として最適な定温庫も2,200坪用意している。一方、「横浜幸浦物流センター(仮称)」はSBSロジコムの最新鋭拠点として3PL運営力も含めて営業活動を展開しており、2020年秋の竣工と同時のフルオープンを見込む。
c) 配送網の充実と新たな取り組み グループの物流各社ではそれぞれ得意業務を中心に展開しているが、グループリソースを相互活用していくことで機能強化を図りつつ、BtoB物流の事業エリア拡大に取り組んでいく。例えば、SBSリコーロジスティクスは「たのめーる」などの配送用として約1千台の軽トラックを全国に所有しており、これをSBS即配サポートが展開しているEC商品の即日配送サービスに活用していく。既に広島県や福島県で取り扱いをスタートしており、今後もリソース面での対応が可能であれば、他エリアにも展開していく可能性がある。