■トピックス

1. サプライチェーン高度化のための新システム開発が計画どおり進捗(2020年4月前後リリース)
サプライチェーン高度化のために推進してきた新システム開発プロジェクトは、ほぼ計画どおり進捗しており、2020年上半期には初期バージョンが運用開始される予定だ。MonotaRO<3064>は商品情報管理及び受発注管理の新システムの導入プロジェクトに2019年初めに着手。いずれも次世代の同社事業の生産性やサービスレベルを左右する重要な取り組みである。「商品情報管理システム」は同社のような多くの商品(現状1,800万点超)を扱う場合には、効率化が不可欠になる。将来的にサプライヤーが入力する商品情報を海外拠点でも共有できるよう多言語化を目指す。また、同社は複数の在庫拠点から配送する事業モデルのため、「受発注管理システム」をより高度なものにしていく必要がある。新システムでは、多様なルールに基づき最適な配送方法を判断して、配送リードタイムを短縮することができ、利便性向上・受注増が期待できる。また、物流オペレー ションの平準化、荷別れ抑制等を図り、物流ネットワークの更なる最適化や配送・物流関連コスト抑制へつなげることができる。両システムともに2020年上半期(4月前後)にフェーズ1として初期バージョンを運用開始、以後もフェーズ2の開発を計画している。

2. 売上規模拡大に対応可能な物流ネットワークを計画
同社の2019年12月期通期の物流関連費用は売上比で6.1%(前期比0.1ポイント上昇)となった。自動化の進んだ笠間DCへのシフトが進捗(50%以上)したものの、両DCともに人員確保のためのパート・アルバイトの給与単価が上昇した。2020年12月期の物流関連費率は5.8%(前期比0.3ポイント低下)を計画する。笠間DC拡張の効果により、笠間DCへのシフトが進行し、人件費・業務委託費率が減少することが見込まれる。

物流費の比率をコントロールしながら、配送リードタイム短縮と物流キャパシティ拡大の両方を達成するという挑戦は継続している。2021年には、茨城中央サテライトセンター(SC、茨城県東茨城郡茨城町)を新設稼働させる。同センターは笠間DCから車で10分の距離に立地し、海外コンテナを常陸那珂港から陸揚げして商品を保管する笠間DCのバックヤードが主機能のセンターだ。PB商品などの高需要商品を中心に出荷機能も持たせる予定だ。既に土地の確保を行い、建物・設備を精査中である。2022年には、関西での最新鋭DCとなる猪名川DC(兵庫県川辺郡猪名川町)を計画する。使用面積は約130,000平方メートルが想定されており、これは尼崎DC(延べ床面積44,000平方メートル)の約3倍に相当する。出荷量の増加に伴い、使用床面積は段階的に拡張。多層階のセンターであり賃借を予定する。茨城中央SCと猪名川DCが整備されれば、さらなる売上規模拡大にも対応可能になる。次期DCについても必要性を含めて検討中という。

3. NAVIMRO(韓国)の黒字化を達成
同社は2013年に連結子会社NAVIMROを設立し、韓国での間接資材の通信販売事業を開始した。売上高は年々増加し、7年目となる2019年12月期に初めて営業利益で黒字化した。2019年12月期の売上高は45.1億円、営業利益は0.1億円。2020年12月期は売上高54億円、営業利益0.8億円を予想する。日本同様のビジネスモデルであり、規模拡大に伴ってスケール効果やロングテール効果が発揮されるため、今後は安定した売上高及び利益の成長が期待できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 MRO Research Memo(4):サプライチェーン高度化のための新システム開発が計画どおり進捗