■事業概要

2. インテリックス<8940>の強み
リノヴェックスマンション事業における同社の強みは、第1に採算が見込める優良物件を迅速に仕入れる体制を構築していることが挙げられる。不動産仲介会社から寄せられる売却物件情報に関して、同社では1~2日で担当者が現場の状況を確認し、最終的な仕入れの判断を行っている。大手不動産会社であれば、仕入れ判断に通常1週間程度の時間がかかると言われており、同じタイミングで売却物件情報を入手した場合には、同業他社よりも先に優良物件を仕入れることが可能となる。ただ、首都圏においてはここ数年で大手デベロッパーも含めて中古マンション市場に参入する企業が増え、従来のように優良物件を適正価格で仕入れることが難しくなってきている。

第2の強みとして、マンションの戸別リノベーションにおいて独自開発した施工ノウハウを確立していることが挙げられる。マンションの戸別リノベーションでは、戸建住宅と比較して近隣住戸への配慮が必要となるため、短期間での施工や騒音・振動対策が求められる。同社はこうした課題を解決する方法として、これまで手掛けてきた数多くのリノベーション施工の経験をもとに、マンションに特化したリノベーション工法を確立している。躯体への穴あけやビス打ちを最小限にとどめる静音施工に加えて、給水・給湯を一箇所に集めたヘッダー配管を採用するなどインフラ設備や下地をシステム化することで施工品質を均質化させるとともに、工事の効率化、後々のメンテナンスも効率化させるなど、マンションリノベーションならではの工法を採用している。さらに、マンションの場合は電気配線や水道、ガス管など生活インフラ部分を共有しているため、工事の際にはその取扱いに十分注意する必要がある。同社はこうしたマンションのリノベーションにおける施工マニュアルを作成しており、施工を行う協力会社のサービス品質の維持向上に努めている。同社の施工技術は業界でも高く評価されており、同業他社からもリノベーション施工を数多く請負っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 インテリックス Research Memo(4):迅速な仕入れ体制と独自開発したリノベーションに関する施工ノウハウが強み