■城南進学研究社<4720>の今後の見通し

(3)顧客ロイヤルティの向上によるLTVの最大化(深耕)
a)教場事業のクォリティ強化とJ-FAMILY化構想の実現
教場事業のクォリティ強化の取組みとして、運営をサポートするシステムの強化(受付処理の事業化)を実施したほか、学習プラン提示システム「GoNAVI」を開発・導入を進めた。

また、LTVの最大化を実現するための取組みとして「J-FAMILY化構想」に取り組んでいる。乳幼児から社会人まで各グループ会社の顧客に対して、グループのサービスをより長く、多くの人に利用してもらうために、グループの各事業を紹介する定期刊行物「J-Family Journal」を発行しているほか、事業間におけるサービス案内の連携を強化している。ただ、これら取り組みの成果についてはまだほとんど見えておらず、次期中期経営計画での課題となる。

b)戦略的なM&Aアライアンスによる企業価値の向上
既述したとおり、M&Aについては当中期経営計画期間中で5件を実施したことにより、乳幼児・児童教育関連や英語教育関連の事業拡大につながっており、弊社では評価している。一方、企業価値を株式時価総額で表すならば、中期経営計画発表時点(2017年12月)よりも2割程度減少した状況にある。予備校事業の縮小による業績悪化が主因であるが、今後はM&Aで取得した子会社とのシナジー等も含めて収益を再成長軌道に乗せることで、企業価値も向上していくものと弊社では考えている。

c)クレド※の実践による経営理念の実現
2020年3月期より新たに各部門のミッションとヴィジョンを明確にして名刺サイズのカード(ミッション&ヴィジョンCard)にまとめて社員に配賦し、各社員は同カードを携帯することで仕事のテーマや目標を明確にし、エンゲージメントを高めている。

※企業活動が拠り所とする価値観・行動規範を簡潔に表した言葉


また、クレドインスティテュート(株)からアドマイアードカンパニー(賞賛される会社)の認定を2018年に受けている。大学生に就職したくなる企業として認知してもらうことや、従業員が誇りを持って業務に従事することができるといった効果が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 城南進研 Research Memo(7):事業環境の変化に対応、M&Aや業務提携等も進めながら各種施策を着実に実行(2