マーケットエンタープライズ<3135>は13日、2020年6月期第1四半期連結決算を発表した。売上高が前年同期比50.1%増の25.98億円、営業利益が同7.8倍の1.71億円、経常利益が同8.0倍の1.70億円、親会社株主に帰属する当期純利益が0.92億円(前期は0.01億円の損失)となった。引き続き全事業が好調に推移したことで、営業利益は四半期ベースで過去最高益を更新し、前年同期との比較で8倍に迫る大幅増益を達成した。同社はこれまでネット型リユース事業の単一セグメントであったが、新規事業の収益力が軌道に乗ったことにより、当第1四半期からネット型リユース事業・メディア事業・モバイル通信事業の3つにセグメント分けを開始している。

主力のネット型リユース事業では、インターネットに特化したリユース品の買取および販売を行っている。第1四半期においては、前期末に保有していた在庫を積極的に販売しつつも、買取に係るWebマーケティングの精度向上や業務プロセスの更なるIT化、標準化によって、売上規模の拡大を図るとともに業務効率化を推進した。家電・楽器・音響機材といった主力商材カテゴリーの取引量が堅調に拡大しながらも、農機具・建機・医療機器の戦略分野が大きく伸張した。その結果、セグメント売上高は16.99億円、セグメント営業利益は1.67億円となった。

メディア事業では、賢い消費を求める消費者に対し、その消費行動に資する有益な情報をインターネットメディアで提供するサービスを展開している。第1四半期においては、2019年8月に事業買収によって新たに加わったメディアである「SIMCHANGE」をはじめ、モバイル通信分野を中心に露出が順調に拡大し、運営メディアの月間合計PV(ページビュー)は1,000万を突破した。その結果、セグメント売上高は14.17億円、セグメント利益は1.02億円となった。

モバイル通信事業では、子会社のMEモバイルが主体となり、通信費の軽減に資する低価格かつシンプルでわかりやすい通信サービスを「カシモ(=賢いモバイルの略称)」のブランド名のもと展開している。第1四半期においては、メディア事業とのシナジーを活かし、新規回線契約の獲得に注力するとともに、シンプルで分かりやすい料金プラン設計やWebマーケティング活動を行った。新規獲得が好調に推移したことで、累計契約回線は4万件を突破した。その結果、セグメント売上高は8.45億円、セグメント利益は0.84億円となった。

セグメント別の開示は当第1四半期からの開始であるため、セグメントごとの業績数値において前年同期比較は記されていないものの、売上高は主力のネット型リユースの比率が大きく、また利益面では、利益率の高いメディア事業とモバイル通信事業が軌道に乗ったことで全社利益に大きく貢献していることがうかがえる。
2020年6月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比18.0%増の100.00億円、営業利益が同32.7%増の6.00億円、経常利益が同32.2%増の6.02億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同32.5%増の2.70億円の計画。創業以来14期連続増収および過去最高益を達成する見込みとなっている。

同社の業績動向を分析してみると、これまで第1四半期は低進捗、第4四半期偏重という傾向にあった。(前期2019年6月期営業利益の推移は、1Q:0.21億円、2Q:1.28億円、3Q:1.35億円、4Q:1.66億円)
そのなかで、当第1四半期は、前年同期比で大幅増益であるだけでなく、直近の前第4四半期との比較においても増益である点、通期計画に対する進捗率が28.5%に達している点などを踏まえると、業績成長が足元でさらに加速していることが推察される。
まだ第1四半期を通過した段階に過ぎないものの、今後、上方修正に対する期待感も向かいそうだ。
同社は業績の急成長を背景に、今年株価が大きく上昇した銘柄であるだけに、今後の業績動向が注目される。




<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 マーケットエンタープライズ---1Q営業利益7.8倍(四半期ベースで過去最高益)、セグメント分けを開始