■要約

テラスカイ<3915>は、クラウドシステムの開発・導入支援を手掛けるクラウド・インテグレーターで、Salesforceを中心としたクラウド導入件数は4,000件を超える。Salesforce関連が売上高の66%(2019年2月期実績)を占めるほか、子会社の(株)BeeX(ビーエックス)では、Amazon Web Services(以下、AWS)関連事業を中心にSAPシステムのクラウド移行支援などを展開している。また、クラウドシステムの開発支援ツールやグループウェア等のクラウドサービスを自社開発している。

1. 2020年2月期第1四半期の業績概要
2020年2月期第1四半期(2019年3月-5月)の連結業績は、売上高で前年同期比41.1%増の2,124百万円、営業利益で160百万円(前年同期は27百万円の損失)と大幅増収となった。デジタルトランスフォーメーションに対する企業の取り組みが活発化するなか、クラウドシステム導入案件の受注増加を背景に、主力のソリューション事業の売上高が前年同期比35.8%増と好調に推移したほか、自社開発の製品事業も大型受注の寄与もあって同62.3%増と急拡大した。利益面では積極的な人材採用に伴う人件費の増加があったものの、増収効果に加えて前年同期に計上した本社移転・増床に伴う一時費用がなくなったことで利益を計上した。なお、サーバーワークス<4434>の株式を一部売却したことに伴い、特別利益558百万円を計上している。

2. 2020年2月期の業績見通し
2020年2月期の連結業績見通しは、売上高で前期比31.7%増の8,634百万円、営業利益で同96.1%増の246百万円と期初計画を据え置いている。ただ、第1四半期の営業利益進捗率が65.3%と過半に達していること、ソリューション事業の受注状況が好調で少なくとも3ヶ月先までフル稼働の状況が続くこと、製品事業ではクラウドサービスと複数のシステムのデータ連携基盤となる「DataSpider Cloud」の大型受注等により、第2四半期以降も大幅増収増益が期待できることから、会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。

3. 成長戦略
調査会社によると、国内のパブリック・クラウドサービス市場は、2023年までの5年間で年平均約20%の高成長が見込まれているという。こうしたなか、同社グループは高い技術力と豊富な導入実績を強みに、Salesforce及びAWSなど主要クラウドサービスの導入支援を展開し、売上高で年率30%増の継続を目指して行く方針となっている。また、現状は機能拡充等の先行投資段階である自社サービス「mitoco(ミトコ)」を中心とした製品事業についても、契約件数の増加とともに2021年2月期以降は利益率が本格的に上昇し、利益の成長スピードも加速していくものと予想される。そのほか、量子コンピュータの研究を行う(株)Quemixやクラウドサービスのスタートアップ企業へ投資するTSV1号投資事業有限組合を2019年6月に設立しており、将来的な収益機会獲得のための布石も打っている。

■Key Points
・デジタルトランスフォーメーションの取組みが活発化するなか、クラウド市場は年率約20%の高成長が続く見通し
・足下の受注も依然好調で2020年2月期業績は会社計画を上回る公算大
・2022年2月期に売上高130億円、経常利益10億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 テラスカイ Research Memo(1):クラウド市場の拡大を追い風に売上高は年率30%超の成長