■業績の動向

● 2019年10月期第2四半期決算の概要
マネジメントソリューションズ<7033>の2019年10月期第2四半期決算は、売上高1,785百万円(前年同期比30.0%増)、営業利益163百万円(同67.1%増)、経常利益161百万円(同65.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益106百万円(同78.6%増)と、大幅増収増益で着地した。

期初計画(同社は決算短信上、通期ベースの予想のみを開示しているが、第2四半期の社内計画は策定されており、その数値は決算説明資料に記載されている)との比較では、売上高は3%ほどの上振れにとどまったものの、営業利益以下の各利益項目は計画に対して20%以上上回った。

通期予想に対する進捗率は、売上高が47.1%、各利益項目が40%弱となっている。これについては、同社の業績は下期偏重の季節性を有しているため、利益面での40%近い進捗率は、同社においては十分、“高い”、“順調”と評価できる水準と言える。

プロジェクトマネジメントの領域は日本では比較的新しい領域ということもあり、PMO支援への需要は成長が続いている。そうした事業環境下で、PMO支援専門企業である同社は相対的に優位なポジションにあり、引き合いは堅調に推移した。

同社は第2四半期に経験者の中途採用を59名、新卒者の採用を4名、それぞれ実施した。2019年10月期の年間計画は70名の採用(経験者・新卒者合計)であるため、第2四半期においてほぼその計画を達成したことになる。採用計画の順調な進捗の要因について、同社は2018年7月に株式市場に上場したことが大きく寄与したとしている。

同社が属するコンサルティング業界の収益は、コンサルタントの数と単価と稼働率の関数と言える。これらのうち、単価や稼働率は多少上下してもその影響は相対的に小さく、コンサルタントの数が収益に最も影響を与える構造となっている。前述のように、第2四半期は人材獲得が順調に進んだため、旺盛なPMO支援の需要を着実に取り込むことができ、それが前述の収益の前年同期比並びに計画比での超過達成につながった。

利益面では、営業利益が前年同期比65百万円(67.1%)増加したが、その内訳は以下の通りだ。人件費(前年同期比29百万円増)や採用教育費(同67百万円増)、支払報酬(同11百万円増)などの各費用の増加を、売上増加に伴う売上総利益の増益(同205百万円増)で吸収し、営業増益を達成した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)




<ST>

情報提供元: FISCO
記事名:「 MSOL Research Memo(5):PMO支援への旺盛な需要により、前期比大幅増収増益かつ計画を大きく上回る着地