■企業特長

1. 時代の先を読む先見性
テクノスジャパン<3666>の強みの源泉は、時代の先を読み、他社に先駆ける先見性にあると言える。ERPが普及していない90年代半ばにERPの将来性を予見し、業界内でいち早くSAPを始めとするERP関連事業の事業基盤の整備・拡充に注力し、豊富な実績とノウハウを積み上げてきた。また、DX推進事業についても、デジタル化の流れが加速するなかで、IoTやブロックチェーン、AI等の新しい技術の活用により、企業のビジネス変革を見据えた独自のプラットフォームビジネスの構築に取り組んでいる。

2. 豊富なERP導入実績と独自テンプレートの活用
同社は、前述のとおり、他社に先駆けることにより、数多くのERP導入実績を積み上げてきた。特に、電気・電子機器、精密、機械、化学等の製造業分野を中心に200社を超える導入実績を誇っている。また、これらの豊富な実績や経験から得られたノウハウを蓄積し、業種・業務別に独自テンプレート「Factシリーズ」に集約することにより、各業界のニーズに適応した無駄のない機能を、低リスク、短期間、低コストで提供しており、それが他社との大きな差別化要因となっている。テンプレートには、周辺ソリューションとして、ERPとビッグデータの架け橋となる機能も備わっており、ERPの枠を超えて業務の効率化、スピード向上、コスト削減などにも効果を発揮している。その結果が、大手ベンダーから継続して表彰を受けるなど、優れた実績につながっていると言える。

3. 質の高いコンサルティング力を支える人材
同社の強みであるコンサルティング力を支える人材に関しては、グローバルビジネスの展開(顧客企業の海外進出支援)を念頭に置き、質の高いサービス提供はもちろん、語学堪能でグローバルマインドを持ち、複数の業務をこなすマルチタレント社員の育成に注力している。また、ベンダー各社の認定資格保有者数についても極めて高い水準を維持している。

4. 将来に向けた先行費用をこなしながら高い収益性を実現
前述した独自テンプレートの活用や質の高いコンサルティング力は、結果として同社の生産性や付加価値の高さに結び付いており、ビッグデータ分野や周辺分野の強化、独自プラットフォームの構築など、将来に向けた先行費用をこなしながらも、同社は営業利益率が11.2%、経常利益率が12.2%と、業界平均を大きく上回る利益率を実現している。すなわち、収益性の高さが、次の収益ドライバーを育成する原資となり、持続的な成長に向けたエコシステムを成立させている。

5. ビッグデータ経営を総合的にサポートする体制
これからの企業の優勝劣敗を制するビッグデータの活用を成功させるためには、ERPとの連動がカギを握ると言われている。したがって、同社のERP分野における数多くの実績やノウハウは、ビッグデータの活用やDX推進事業を展開するうえでも、大きなアドバンテージとなると考えられる。特に、ERP分野とビッグデータ分野を融合させ、総合的にサポートする体制を構築しているのは、国内業界においても数少ない存在であり、スマートファクトリー※や業界最適型のプラットフォーム(CBP)を始め、今後の事業拡大に向けて差別化要因となる可能性が極めて高い。

※工場内のあらゆる機械をインターネット環境に接続することで、機械の稼動状況や製品の品質等を詳細に把握し、工場全体の効率的な稼働を実現することで、最大の利益を生み出す環境を満たした工場のこと。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




<ST>

情報提供元: FISCO
記事名:「 テクノスJPN Research Memo(4):独自テンプレートの活用やコンサルティング力に強み