a) ねじ関連事業 2019年3月期は、中国経済の減速(在庫調整)で中国市場の成長が一次的に踊り場状態になったが、中長期的には、建機向けや産業ロボット向け市場回復が期待され、さらに、北米の日系大手自動車部品メーカーとの新規受注など拡大が見込まれる。ヱトーがかつて単独経営であった時代、最盛時の売上高は250億円であった。今回の経営の立て直しで売上高は約137億円まで回復したが、今後も新市場・新顧客の開拓をすることにより持続的増収増益の可能性は高い。
b) 樹脂・塗料事業 樹脂・塗料事業は、これまで国内・海外の自動車部品メーカーを中心に、海外(米国、中国など)展開をしてきたが、2019年3月期は、ねじ関連事業同様、中国経済の減速により中国自動車部品メーカー向けの受注が落ち込んだ。中長期的には、中国市場の回復と国内外向けの堅調な推移が見込まれる。そして、メキシコ現地法人では、メキシコの日系自動車部品メーカー向樹脂・塗料や自動車部品の量産受注が始まり、まとまったボリュームの受注が期待されている。
(2) 注目事業の立ち上げ加速化 a) 軽量ケーブル 軽量ケーブルを10年程前から手掛けており、本来は航空機用に開発されたものであるが、燃費向上を目的として、2016年にラグジュアリーカーのワイヤーハーネスに採用が内定した。量産立ち上げは1年遅れたが、2020年3月期から本格的量産受注が見込まれる。
b) LiB電池関連 同社ドイツ現地法人は、産業機器・移動体向け電源システムを製造・販売を行っている。電池ユニットは産業用LiBで定評のある東芝<6502>製SCiB(充電時間は鉛電池1日に対して40分で充電)を採用、欧州圏の産業用フォークリフト市場で鉛電池からLiB(SCiB)電池へ置換を図り、さらに次代のバス/トラックの電動化など新用途拡大とインドなど新商圏の拡大を目指している。SCiBの増産体制が整い次第、現在受注している案件を順次供給・拡大の見通し。