シンバイオ製薬<4582>は7日、2019年12月期第2四半期(19年1月-6月)決算を発表した。売上高が前年同期比4.0%増の20.04億円、営業損失が20.15億円(前年同期は13.24億円の損失)、経常損失が20.69億円(同13.77億円の損失)、四半期純損失が20.69億円(同13.88億円の損失)となった。

トレアキシン(R)については、適応症拡大を受けて、既に医療現場においては未治療(初回治療)領域でトレアキシン(R)が従来の標準療法であるR-CHOPに取って代わることで市場浸透が堅調に進み、2018年7月に日本血液学会が編集し発行した造血器腫瘍診療ガイドラインにトレアキシン(R)とリツキシマブの併用療法(BR療法)が新たに収載され、既承認のすべての適応症において、標準的治療の選択肢として推奨された。悪性リンパ腫における標準療法としてのトレアキシン(R)の位置づけが確立されつつあり、同社の調査では市場占有率は未治療領域において55%まで伸びてきている。本剤については、既に承認を取得した3つの適応症に加え、4つ目の適応症である再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(r/r DLBCL)の第III相臨床試験を実施している。

当第2四半期累計期間の売上高は、トレアキシン(R)の製品販売等により、増収となった。利益面では、販売費及び一般管理費が、トレアキシン(R)の注射剤、経口剤及びリゴセルチブの注射剤、経口剤の臨床試験費用が発生したこと等により、研究開発費として9.62億円(前年同期比14.8%増)を、その他の販売費及び一般管理費として15.81億円(同49.3%増)を計上し、営業損失となった。

2019年12月期通期については、同日、業績予想の修正を発表した。同社はトレアキシン(R)の国内販売においてアステラスドイツから凍結乾燥注射剤を輸入し、販売委託先のエーザイを通じて市場へ供給しているが、当第2四半期中にアステラスドイツから輸入したトレアキシン(R)100mg製剤において、異物の混入及び外観不良などが認められたことを受けてこれらの不良品を含むすべてのバッチを返品する。当第2四半期以降の出荷を予定していたバッチの一部が年内に出荷できず2020年第1四半期に遅延する可能性があることから、通期業績予想を修正した。一方、研究開発費など販売費及び一般管理費は減少が見込まれるため、営業利益への影響は限定的となる。売上高が前期比19.4%減(前回予想比30.7%減)の30.92億円、営業損失が37.80億円(前回予想は35.87億円の損失)、経常損失が38.56億円(同36.12億円の損失)、当期純損失が38.59億円(同36.16億円の損失)としている。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 シンバイオ製薬---2Qトレアキシン(R)の製品販売等により増収