■事業概要

1. 事業概要
高千穂交易<2676>の事業セグメントは、システム事業とデバイス事業に分けられており、各セグメントの売上高(2019年3月期)は、システム事業12,267百万円(売上高比率61.7%)、デバイス事業7,627百万円(同38.3%)となっている。

さらに、システム事業はセキュリティ、その他ソリューション、カストマ・サービスのサブセグメントに、デバイス事業は電子プロダクトと産機プロダクトのサブセグメントに分けられている。(なお下記のように、システム事業のサブセグメントは、2020年3月期からリテール、オフィス、グローバル、サービス&サポートの4つに区分変更された。)

以下は各セグメント及びサブセグメントの概要である。

2. システム事業
(1) セキュリティ(2019年3月期総売上高に占める比率37.4%)
EAS(商品監視システム)、映像監視システム、ストアマネジメントシステム、ディスプレイセキュリティシステム、オフィス入退室管理システム、防火システムなどを扱っている。商品監視(万引き防止)システムの国内シェアはトップクラスとなっている。

商品は主に米国センソマチックブランドで、これに監視カメラ等を複合的に組み合わせたソリューションで強固なセキュリティを実現している。これらのセキュリティセグメントの主な顧客は各種の小売業者である。一方で買収した海外子会社(Takachiho Fire,Security & Services(Thailand)とGuardfire)は防火システムを扱っている。

(2) その他ソリューション(同10.1%)
主要製品は以下のようになっている。

a) メーリングシステム(部門内比率:26.0%)
分社した高千穂コムテック(株)がスイスのカーン製の大型メーリングシステム(封入封緘機)などを販売している。主な顧客は各種請求書や通知書を扱う大手印刷会社や株主関係書類を扱う信託銀行関連会社など。

b) RFID※関連商品(部門内比率26.3%)
現在では、マイティカード(株)と(株)S-Cubeが合併したマイティキューブ(株)が事業を行っている。タグ及び周辺機器の販売だけでなく開発、構築支援も行っており、トータルでの利益率は高い。これから幅広い分野で導入・成長が見込まれる。

※自動認識技術の1つで、物品の情報を記憶する半導体チップと通信用のアンテナを組み込んだタグを物品に取り付け、それを電波で読み取ることにより、1点ずつではなく一度に複数の物品情報を自動的に認識できるしくみ。小売店では大量の商品の在庫管理(棚卸)の効率向上に最適で、小売店以外でも資産管理、流通管理など幅広い用途で利用可能。

c) ネットワーク関連商品(部門内比率47.8%)
企業ネットワークの安全・効率性を高める機器を販売している。近年では、米国シスコシステムズが買収したメラキ(Meraki)製のクラウド型無線LANシステムの売上げを伸ばしており、企業内に加えて小売店・商業施設、ホテル、学校などで採用されている。増加する訪日観光客のための設置に加えて、防災対策のために地方公共団体での設置需要も高まることが期待できる。

(3) カストマ・サービス(2019年3月期総売上高に占める比率14.2%)
システムセグメント内の商品の設置・保守・運用管理などの売上高。毎年の売上げに伴う設置工事などに加えて一定期間のメンテナンスがあり、安定したストック型事業である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 高千穂交易 Research Memo(3):システム事業とデバイス事業が2本柱。海外では防火システムも手掛ける(1)