■今後の見通し

同社では、グループの営業収益の半分以上を海外子会社で獲得しており、今後も海外を中心に事業展開を進めていく。ほとんどの海外子会社の決算期である毎年12月31日に決算期をそろえることで、更なるグローバルな事業の一体運営を推進し、さらに経営情報の適時・適切な開示による経営の透明化をより一層図るため、Jトラスト<8508>の事業年度を毎年1月1日~12月31日に変更することとした。したがって、2019年12月期は2019年4月1日から2019年12月31日までの9ヶ月間の変則決算となる。

2019年12月期の業績については、日本・韓国の金融事業で安定的な収益が見込まれるものの、東南アジア金融事業の業績回復にはまだ時間がかかることや、M&A 費用や訴訟費用など一時的な費用負担の増加が見込まれることから、営業収益は64,397百万円、営業利益は61百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失は1,118百万円を見込んでいる。

セグメント別には、日本金融事業では今後も信用保証業務は好調に推移し、債権回収業務も順調な回収が見込まれていることから、2019年12月期は2,900百万円の利益(前期は4,251百万円の利益)を見込んでいる。韓国及びモンゴル金融事業では、法律・規制の変更に柔軟に対応し、貯蓄銀行業と債権回収事業のバランスを取りながら収益を順調に伸ばしており、2019年12月期も3,300百万円の利益(前期は4,880百万円の利益)を予想する。2019年12月期は9ヶ月間の変則決算であることを考えると、日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業はおおむね横ばいと言えるだろう。

一方、東南アジア金融事業では、追加の不良債権処理に伴い2019年12月期も1,700百万円の損失(前期は17,712百万円の損失)を見込んでいるが、今後は銀行業で体制のスリム化・効率化を図り収支の改善を図るとともに、JTOとのシナジー効果等による業績回復を計画している。また、投資事業でも2019年12月期は600百万円の損失(前期20,568百万円の損失)を見込んでいるが、今後は前期に計上した貸倒引当金の戻入を実現する計画だ。2019年3月期決算で、現状想定できる限りのリスクに対して手当てを行ったことで、2020年12月期以降は業績の急回復を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 Jトラスト Research Memo(6):2019年12月期は、2020年12月期からの本格的な業績回復に備える