こんにちは、フィスコマーケットレポーター高井ひろえの「マネックス証券の気になるレポート」です。今週は、15~16日に日米の物品貿易協定(TAG)交渉が行われるほか、17日には中国の主要経済指標が発表されます。注目していきましょう。さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、4月15日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏のレポート「今週のマーケット展望」の内容をご紹介いたします。

まず広木さんは、今週の焦点について、1つ目に『15~16日にワシントンで開く日米の物品貿易協定(TAG)交渉の行方』、2つ目に『17日発表の中国・主要経済指標』、3つ目に『米国の企業決算』を挙げています。

物品貿易協定交渉において懸念される事項は、『やはり為替条項だ』と述べており、以下のように、日本経済新聞・電子版が14日に報じた記事を引用しています。
『<ムニューシン米財務長官は13日、日米が15日から始める貿易協定交渉で「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」と述べた。法的拘束力のある通商協定に為替条項が盛り込まれれば、日本側の円売り介入などが制限される可能性がある>』

続けて、『メディアも市場も為替条項で大騒ぎだが、実質的にそんなに不利益なことではない』として、『日本は東日本大震災直後のような特殊な状況を除いては介入などしていないし、そもそも介入というのは対症療法に過ぎず介入で為替レートの基調を変えられると考える当局者はおそらくひとりもいないだろう。だから為替条項で介入ができなくなってもなんら困らない』と考察しています。

金融緩和については、『日銀は、(表向きには)円安誘導のために金融緩和しているのではないと突っぱねれば済むことだ』との考えを述べており、『実際に日銀が異次元緩和を開始した以降も何度も円高局面はあった。そもそも為替条項によって一国の金融政策を変更させることはできない。為替条項で競争的な通貨切り下げ禁止を謳ったところで具体的に何をしてはいけない、と規定できるものではない。「通貨安につながる金融緩和を禁止」などと書けるわけではないのだ』と指摘しています。

ただし、『それこそ日米関係を「忖度」して金融緩和がやりづらくなる面はあるかもしれない』としており、『そうであるなら、ただでさえ手詰まり感の強い日銀の次の一手はETF購入の増額となろう。株式市場にとっては悪い話ではない』と示唆しています。

次に、『17日には中国で、3月の都市部固定資産投資や鉱工業生産、小売売上高と1~3月期のGDPの発表がある』ことに触れており、『このところの中国の景気指標は持ち直しているものが多い。先週金曜日に発表された3月の貿易統計でも輸出の伸びが市場予想を大幅に上回った。中国人民銀行が発表した3月の人民建て銀行融資額も大幅に伸びた。今週の統計でも中国景気の回復基調が続いているか確認したい』と考察しています。

続いて、『今週米国ではシティグループ、ゴールドマン・サックス・グループ、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーなど金融を中心に決算発表がある』ことに言及し、『先週金曜日、JPモルガン・チェースが発表した1~3月期決算は純金利収入が堅調に伸び、純利益は前年同期比5%増えた。JPの市場予想を上回る増収増益決算を受けて金融株が軒並み買われ、米国株市場は大幅高となった。S&P500は2900ポイント台に乗せ、2930ポイントの史上最高値更新が視野に入った』と伝えています。

加えて、『同様、週初に2万2000円をつけても売りに押される展開も想定される。2万2000円の大台回復とその水準を維持できるかが、今週4番目の焦点である』と分析しています。

最後に、今週の予想レンジについて『2万1800~2万2300円』とまとめています。

参考にしてみてくださいね。

高井ひろえの「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを高井ひろえの見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ




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情報提供元: FISCO
記事名:「 今週のマーケット展望「日経平均は2万2000円の大台回復へ」~マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏(高井ひろえ)