b) 進行性または転移性固形がん(免疫チェックポイント阻害剤との併用) 国内では食道がんを中心とした進行性または転移性固形がんでステージ4の患者を対象に、抗PD-1抗体であるペムブロリズマブとの併用療法による医師主導第1相臨床試験が、2017年12月より国立がん研究センター東病院等で開始している。症例数は最大19例を予定しており、前半の9例は投与量を3群に分けて(低容量、中容量、高容量)、治療期間6週間でテロメライシンを3回反復投与、ペムブロリズマブを複数回投与し、安全性や抗腫瘍効果、免疫応答等を評価する。また、最大2年間の経過観察期間を設けて生存率についても評価する。残り10例については、前半に行った試験のうち高容量群での3回反復投与を1クールとして複数クール行う試験となり、臨床試験の終了予定は経過観察期間も含めれば2020年後半から2021年前半になると見られる。
c) 肝細胞がん(単剤→免疫チェックポイント阻害剤との併用) 台湾の提携先であるMedigenと共同で2014年より、ステージ3/4の肝細胞がん患者を対象とした第1/2相臨床試験を韓国・台湾で進めている。既に単回投与試験12例を実施し安全性は確認されている。2017年より反復投与試験(2週間おきに3回投与)に入り、6例中5例まで終了している。今後の開発方針としては、免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の検討を進めていくことになりそうだ。