■株式の状況

1. 株主還元策
ネットマーケティング<6175>は利益配分について、業績動向を考慮しながら、将来の事業拡大や収益の向上を図るための資金需要や財務状況を総合的に勘案して適切に実施するとともに、より一層の株主重視経営に向けて、業績に応じた積極的な株主還元を実施する方針としている。2018年6月期は創業来初めて、連結配当性向17.7%となる1株当たり5円の期末配当を行った(2018年3月に実施された1:2の株式分割後)。2019年6月期も、減益予想ながら、2018年6月期と同額の1株当たり5円の期末配当金を予定している。

2. インセンティブプラン
同社は2018年11月2日を割当日として、新株予約権3,000個を1個につき100円(1株当たり1円)で発行し、受託者となる公認会計士個人に第三者割当を行うことによって、時価発行新株予約権信託を活用したインセンティブプランを導入した。同プランは、発行時点で付与対象者と付与個数を定める一般的なストックオプションと異なり、あらかじめ定めた交付ガイドラインに基づき、今後の貢献度に応じて、委託者である代表取締役社長兼CEOの宮本邦久氏と取締役CFOの長野貴浩(ながのたかひろ)氏を除く役職員等を受益者として新株予約権を分配することができるのが特徴であり、2021年10月1日に分配される。また、受益者の権利行使に当たっては、2019年6月期から2021年6月期のいずれかの事業年度において、営業利益が12億円を超過した場合に80%、15.6億円を超過した場合に100%を上限として新株予約権を行使することができるという業績達成条件が設定されており、中期経営計画における2021年6月期の営業利益の計画値12億円を超えた場合にのみ行使が可能となっている。

本新株予約権による潜在株式数は300,000株で、すべて行使された場合、2018年6月末時点の発行済株式総数に対し、2.06%の希薄化が生じるが、行使価格が本新株予約権発行にかかる取締役会決議の前日終値604円と特別に低い水準には設定されていないこと、中期経営計画における計画値を超える業績達成条件が設定されていることから、現役職員の業績達成意欲を高めるとともに、今後の成長に必要となる優秀な人材の新規採用につながるインセンティブプランであると評価できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 廣田重徳)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ネットマーケ Research Memo(5):5円の配当を継続予定。業績達成を条件とするインセンティブプラン導入