なお、シエラではSRA141に関して大腸がんを適応対象に臨床第1/2相試験を進めていくことになっている。シエラは、2018年11月に開催された国際的ながん研究治療学会議で、前臨床試験の結果について発表を行っており、SRA141がCDC7を選択的かつ強力に阻害するとの報告を行っている。現在、CDC7キナーゼ阻害薬の臨床試験では2社(武田薬品工業<4502>:第2相臨床試験中、Eli Lilly and Company :第1相臨床試験中)が先行しているが、シエラの分析によるとSRA141は、イーライリリーの開発品に対して薬効で上回っており、また、武田薬品工業の開発品に対しては薬効がラボレベルで同程度であるものの、キナーゼ選択性において優れている(副作用リスクが低い)との評価をしている。シエラとの契約では、CDC7キナーゼ阻害薬プログラムの進捗に伴うマイルストーン収入総額が270百万ドルとなり、上市後の販売高に対するロイヤリティ率は1ケタ台後半のパーセンテージと見られる。