■今後の見通し

1. 2018年12月期の業績見通し
2018年12月期ついてピクスタ<3416>は、売上高2,594百万円(前期比16.3%増)、営業利益91百万円(同421.9%増)、経常利益88百万円(同280.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益20百万円(前期は6百万円の損失)と、増収増益を予想している。これらの数値は期初予想から変更はない。

2018年12月期第2四半期決算の進捗が高かった一方で、同社は通期見通しを据え置いた。その結果、通期予想の達成のために必要な下期の業績の水準は大きく低下し、営業利益、経常利益ともに第2四半期実績から半減以下の水準で十分達成可能という状況となっている。これは同社の収益が下期偏重の季節性を有することから照らすと考えにくい状況であり、それゆえ、弊社では2018年12月期の着地は会社予想を上回る可能性が十分に高いと考えている。

2018年12月期下期の利益が第2四半期実績から大きく減少する可能性があるとすれば、同社が先行投資を増額するケースが考えられる。2018年12月期も先行投資期間という位置付けである以上、そうしたことが起こる可能性もゼロではない。しかしながら、同社が2017年12月期において計画どおりに先行投資を実施したことや、その成果が2018年12月期第2四半期決算において着実に出ていること、下期についても一定の先行投資は当初から計画されていることなどを考えれば、下期に先行投資をさらに増額する可能性は小さいと弊社ではみている。

各事業別動向は前述のとおりだが、2018年12月期下期の注目ポイントとして、1)国内PIXTA事業では定額制売上高とPIXTA事業全体の成長率、2)fotowa事業では撮影件数とフォトグラファー数、3)Snapmart事業ではオンデマンドサービスの料金プランの内容、4)海外事業ではPIXTA韓国語版のコンテンツ数、の4点を挙げたい。


営業利益が250百万円を超えるかどうかに注目。国内PIXTA事業にその力は十分備わっているとみる
2. 2019年12月期の考え方
2019年12月期は前期に引き続き増収増益を目指してくると想定される。同社の過去最高営業利益は2016年12月期の155百万円であり、この更新を目指してくるのはほぼ間違いなく、見どころは営業利益が同社として初めて250百万円を超えるかどうかにある。なぜならば、その先にある500百万円~1,000百万円レンジのステージに上がる前の重要なステップと位置付けられるためだ。

2019年12月期の利益の構造としては、国内PIXTA事業が収益の主軸として過去のピークの利益率を回復する一方、fotowa事業やSnapmart事業、及び海外事業は全体として利益貢献はゼロか若干のマイナスとみている。同社の全社ベースの過去最高営業利益率は2015年12月期の10.0%だ。この当時は国内PIXTA事業だけが収益源で、それ以外は育成事業としてマイナスの利益貢献だった。国内PIXTA事業の収益性はその後、着実に改善が続いていると考えられる。理由は定額制売上高の構成比が上昇してきているためだ。2019年12月期のPIXTA事業売上高は、現在のペースで順調に2ケタ成長が続けば2,500百万円を超えてくることになる。営業利益率が10%を超えてくる可能性は十分にあり、PIXTA事業だけで250百万円超の営業利益を稼ぎ出すことは充分可能だと弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ピクスタ Research Memo(7):各事業の順調な進捗に照らして、通期は会社予想を上回る可能性