使用後に残った貨物の漏洩や臭気、汚染の発生といった問題を絶対に引き起こさないよう、完璧な洗浄と不備のないメンテナンス、つまりタンクコンテナに対する高い品質管理能力が、オペレーターには求められる。このため同社は、海上輸送に耐えられる国際規格IMDGコード※に適合したISO標準規格の6mタンクコンテナを採用、厳しい内部検査や気密試験、定期的な法定検査を実施している。また、洗浄やメンテナンスなどの作業を内製化し同社自身の手で作業することで、タンクコンテナの安全性と顧客の信頼を確保している。現在では、国内全拠点及びマレーシアのPort Kelangに自社洗浄施設を保有し、加えて危険品貨物の蔵置や加温、タンクローリーやドラム缶への積替えなど附帯サービスも自社の手で行っている。まさに経営理念を象徴する「Responsible Care for Global Environment」を推進していると言えるだろう。
タンクコンテナには業界というものがなく、大きく物流業界の一部と言うことができる。プレイヤーは、タンクコンテナを所有し運用するオペレーター、大量に所有し貸し出すリーシング企業、製造するメーカーに3分される。同社はオペレーターに区分され、保有基数は7,167本(2017年12月期末)で世界15位だが、日本では専業オペレーターでパイオニアということもあり、1位を誇る。大手のオペレーターはタンクコンテナ発祥の欧州に多く、世界のトップはStolt Tank Containers(英国)で所有タンクコンテナ数が35,395本。ちなみに日本の2位は(株)ニヤクコーポレーションの2,500本である。一方、生産については中国製と南アフリカ製が大半を占め、2017年の年間生産本数は48,500本であり、前年比9.0%増と好調を維持している。なお、(株)日陸が買収したInterflow(英国)は11,000本のタンクコンテナを所有しているが、活動の中心が欧州であるため、日本国内トップは実質的に同社ということになる。