■今後の見通し

● 2018年11月期の業績見通し
(1) 2018年11月期の業績予想
ネクステージ<3186>の通期予想は、期初予想の水準に据え置かれた。売上高が前期比13.5%増の135,000百万円、営業利益が同9.4%増の3,800百万円、経常利益が同12.0%増の3,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.5%増の2,500百万円である。第2四半期累計の実績が期初予想を上回ったが、第2四半期の3ヶ月だけ見ると売上高営業利益率が会社の想定を下回ったものの、第3四半期以降に立て直しに取り組んでいる。

(2) 2018年11月期の取り組み方針
2018年11月期の取り組みは、1)総合店・SUV LAND拡大、2)買取仕入の強化、3)新車ディーラーの強化になる。中型店は、店舗の収益状況を踏まえ、総合店への業態変更を積極的に進めていることから、減少が期初予想の1店舗から4店舗へ拡大する。大型店となる総合店は5店舗の増加、SUV LANDは2店舗の増加が計画されている。新車ディーラーは、他社からディーラー権を継承することとカーメーカーとの契約事項であるため、決定前に計画を発表することは難しい。2018年11月期は、期初予想では1店舗増の計画であったが、第2四半期の段階で7店舗の増加に上方修正された。この結果、2018年11月期末の販売店舗数は、前期末比9店舗増、期初予想比2店舗増の63店舗が計画されている。買取専門店は、前期末比14店舗増、期初予想比3店舗増の35店舗を見込んでいる。

(3) 上下比率の推移
2018年11月期は、期初予想では、上下比率が売上高で48.1:51.9、経常利益では44.6:55.4と下期偏重の計画であった。第2四半期決算後では下期のウエイトが売上高で44.0%、経常利益で49.6%に低下することになる。今下期の売上高予想は、前年同期比増減率が期初予想では14.0%の増加であったが、通期予想が据え置かれたため第2四半期時点の予想では3.3%の減少となる。経常利益の増加率は18.4%増から5.9%増に鈍化することなる。現時点では、2018年11月期下期に期初に想定していなかった不確定要素が発生していない。2018年7月の西日本豪雨の大災害では、同地域に店舗を運営しておらず直接的な被害を受けていない。同地域からの購入に対しては、災害被害者への支援の一環として、名義変更費用、車庫証明申請代行費用、他店舗からの車両取り寄せ費用を無料としている。過去2期では、第2四半期累計実績が期初予想以上の業績だったものの、通期予想を据え置き、結果として通期実績が上回った。

(4) 四半期ごとの展開
2018年11月期第2四半期(3月−5月期)の売上高営業利益率は、前年同期比0.7ポイント減の2.8%であった。来客数では問題が見られないにもかかわらず、1台当たりの販売及び買取における収益が低下した。同社が在庫回転率を重視していることから、2018年11月期第2四半期では店舗が売り急ぎ、全体的に車両販売価格を低く、もしくは下取価格を高くし過ぎた嫌いがある。永遠の課題である回転率と収益性の両立を目指し、販売・買取価格の決定には本部の関与を高める。第3四半期以降のスプレッドは、第2四半期よりも拡大傾向にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ネクステージ Research Memo(5):通期予想は、期初予想を据え置く