ラクオリア創薬<4579>は10日、2018年12月期(18年1月-6月)連結決算を発表。売上高が前年同期比3.8%減の4.45億円、営業損失が5.58億円(前年同期は3.52億円の損失)、経常損失が5.69億円(同3.00億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が5.96億円(同2.87億円の損失)となった。

2018年5月に予定をしていたZTE Coming Biotech Co., Ltd.(中国、以下「ZTE Biotech(中国)」)との5-HT4部分作動薬(化合物コード:RQ-00000010)及び5-HT2B拮抗薬(化合物コード:RQ-00310941、以下「RQ-941」)に関する中国での臨床開発を目的とする合弁会社設立については、ZTE Biotech(中国)のグループ主要会社であるZTE Corporation(以下、「ZTE」)の、北朝鮮やイランに違法に通信機器を輸出していた問題に関する虚偽報告に対して制裁措置が科されたことに対応するため、同グループ内の体制を見直すことになったことから遅延することとなった。同社グループは、引き続き本年中の設立を目指してZTE Biotech(中国)と協力しながら手続きを進めるとしている。
また2018年6月に米国ワシントンD.C.で開催された「2018年米国消化器病週間(Digestive Disease Week:DDW)」において、RQ-941の英国における第1相臨床試験結果に関するデータのポスター発表をした。本試験は、少数患者に対する2週間の短期間投与試験ではあったが、RQ-941はIBDのIBS様症状の改善およびIBSの治療薬として期待出来ることが示唆された。同社グループは、今後も新規作用機序をもつRQ-941の価値向上に努め、積極的にライセンス活動を展開するとともに、同社グループ発の新薬の一刻も早い上市により医療への貢献を目指すとしている。
この他、同日付で同社グループは、中国XuanZhu Pharma Co.,Ltd.との共同研究について発展的解消をし、研究成果については、2018年9月13日開催の第17回World Congress on Pain(米国:ボストン)で発表することをリリースしている。同社グループでは、Nav1.7選択的遮断薬の鎮痛薬としての適用可能性がなお一層示されたものとしており、契約解消に伴い、制約が大幅に緩和されることから改めて独自に化合物の価値を目指すとしている。

2018年12月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比2.2%減の13.88億円、営業損失が6.98億円、経常損失は6.80億円、親会社株主に帰属する当期純損失は6.86億円とする期初計画を据え置いている。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ラクオリア創薬---2Q決算を発表、中国での臨床開発を目的とする合弁会社設立が遅延