a) 『設備の基盤整備』総仕上げ 第4次中期経営計画では、第3次中期経営計画並みの累計80億円の設備投資を計画している。前回は、単体を中心に主要設備の新鋭化を行った。第4次中期経営計画では、単体では製造工程の整流化、生産性の向上に資する基盤整備を継続する。グループ会社では、自動車及び半導体製造装置向けに需要が伸びているセラミックファイバーの増産投資と海外の連鋳用モールドパウダーの増産投資等、成長分野への積極投資を予定している。
b) 商品競争力の徹底強化 商品開発は、プロセスメリット、鋼品質、環境をキーワードとする。プロセスメリットは、高寿命化、原単位低減、施工時間短縮、補修時間短縮など顧客メリットの徹底追求がポイントとなる。戦略商品の無予熱ロングノズルの高寿命化に成功し、日本企業では初めて米国鉄鋼技術協会から耐火物最優秀論文賞を受賞した。高耐食性AG材とノンカーボンの構造により、多数回連続使用を達成し、約2.7倍の高寿命化に成功した。また、顧客の生産性向上のため、施工時間や補修時間を短縮する。鋼品質の向上にかかるプレート、ノズル、パウダーの拡販を強化する。環境面では、原料価格の高騰を踏まえ、顧客と使用後リサイクルを進める。
c) 成長・未開拓分野の捕捉 主に輸出と海外事業により、成長・未開拓分野を捕捉する。インドの粗鋼生産は、2018年に前年比12.9%増の114百万トン、2020年に150百万トンへ伸長すると推定している。JFEスチールの現地子会社であるJSWスチール向けを主として、輸出により一定のシェアを確保している。今後は、現地有力企業と組んで合弁会社を設立し、マッド材の現地生産を早期実現することを企図している。ベトナムでは、JFEスチールと同社の得意先でもある台湾CSCとの合弁会社が、2017年5月より同国初の高炉一貫製鉄所の稼働を開始した。2018年5月に、第2高炉を稼働させ、生産能力が2倍の年700万トン規模となった。同社は、マッド材と連鋳用パウダーなどの取引があり、更なる拡販を目指す。