■業績動向

1. 2018年10月期第2四半期の連結業績
(1) 損益状況
泉州電業<9824>の2018年10月期第2四半期の連結業績は、売上高で前年同期比11.2%増の40,939百万円、営業利益で同13.0%増の1,822百万円、経常利益で同11.8%増の1,943百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同15.3%増の1,341百万円となった。

銅価格の上昇(平均16.5%)により売上高は数量以上に増加したことから、売上総利益率は前年同期の16.4%から15.4%へ低下したが、高付加価値品の販売増などにより売上総利益額は同4.5%増となった。販管費の伸びを1.3%に抑えたことから営業利益は前年同期比で2ケタの伸びとなった。

期間中の設備投資額は1,012百万円、減価償却費は200百万円であった。投資の主な内訳は、川崎のマンション建設(旧社宅跡地)281百万円、大阪物流センター関連278百万円、高松支店235百万円、埼玉営業所関係192百万円などであった。

(2) 財務状況
2018年10月期第2四半期末の資産合計は前期末比2,320百万円増の66,071百万円となった。流動資産は同1,637百万円増の44,164百万円となったが、主に現金及び預金の減少52百万円、受取手形及び売掛金の増加411百万円、電子記録債権の増加801百万円、商品の増加384百万円などによる。固定資産は同682百万円増の21,906百万円となったが、主に川崎のマンションを投資その他資産に振替えたことによる投資その他資産の増加803百万円などによる。

負債については、負債合計が前期末比1,483百万円増の28,148百万円となった。流動負債は同1,424百万円増の25,427百万円となったが、主に支払手形及び買掛金の増加1,557百万円による。固定負債は同58百万円増の2,720百万円となったが、主に退職給付に係る負債の増加64百万円などによる。純資産合計は、主に利益剰余金の増加1,089百万円などにより、同836百万円増の37,923百万円となった。

2. 2018年10月期第2四半期の商品別概況(単体ベース)
商品別の状況(単体ベース)は以下のとおりであった。

(1) 機器用・通信用電線
取扱商品の中では比較的付加価値が高く、銅価格の変動の影響が少ない商品である。売上高は14,688百万円(前年同期比12.2%増)となった。主な向け先である半導体製造装置関連、工作機械関連などが比較的好調であったことから、数量ベースでも増加しており、粗利額も増加した。

(2) 電力用ケーブル
主に建設用(ビル、工場、病院及び学校等の大型施設など)に使われる電線であるが、競争も激しく利益率は低い。需要は予想されたほど伸びなかったが、銅価格の影響で売上高は12,302百万円(同13.3%増)となった。

(3) 汎用被覆線
主に電力用より細い電線で、住宅などに用いられるが、電力用ケーブルと同様に銅価格の影響を受けやすい。数量ベースではほぼ横ばいであったが、銅価格の上昇により売上高は4,036百万円(同6.0%増)となった。

(4) その他電線
主に中小メーカー向けの銅裸線の販売であるため、販売価格はほぼ銅価格にスライドする。そのため、売上高は2,042百万円(同13.2%増)であったが、数量ベースの伸びは小さく粗利額は微増であった。ただし、売上金額が少ないこと及び、利益率が低いことなどから全体の利益に与える影響は小さい。

(5) 非電線
電線以外の商品が含まれる。各種の加工品、付属品、周辺機器などで、主要製品はソーラー関連の部品及び加工品※とワイヤーハーネス関連だが、銅価格の影響は小さく相対的に利益率の高い部門である。売上高は5,392百万円(同7.3%増)となり、粗利額も増加、全体の増益に寄与した。部門の約3分の1を占めるハーネス関連は好調であったが、太陽光関連は低迷した。

※ソーラー関連は、ケーブルだけの場合は「電力用ケーブル」に、コネクター及び加工品が付いた場合は「非電線」に区分けされている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 泉州電業 Research Memo(3):2018年10月期第2四半期は13.0%の営業増益