■中長期の成長戦略

1. 東証一部に昇格、安定と成長の両立に挑む
ビーロット<3452>は2018年2月2日、東証一部に市場変更した。2008年の創業からわずか10年での東証一部昇格である。資金調達力、人材採用力、国内外の投資家への知名度や信頼など、今後の同社にとってプラスであることは間違いない。新たなステージに立つにあたり同社の宮内社長は、「チャレンジャーとしてあくなき成長を求める」とともに「安定性が今まで以上に必要」ともコメントしており、持ち前の成長力に安定感が増す企業ビジョンが示されている。

2. 大型ホテルが竣工時期を迎える
同社はインバウンド向け施設(訪日外国人向けの宿泊施設)の企画・開発を重点戦略としている。2015年開業の「ファーストキャビン築地(東京・築地)」、「IMANO TOKYO HOSTEL(東京・新宿)」を皮切りに、「ナインアワーズ北新宿(東京・新宿、2017年3月竣工)」、「IMANO TOKYO GINZA HOSTEL(東京・新富町、2017年7月竣工)」、「IMANO KYOTO KIYOMIZU HOSTEL(京都・清水五条、2017年9月竣工)」などを手掛けてきた。

2018年12月期は大型のホテルの竣工が相次ぐ。「ティサージホテル那覇(沖縄・那覇、2018年3月竣工)」は132室の大型のホテルであり、同社としては初めての沖縄進出となる。「ホテルトリフィート小樽運河(北海道・小樽、2018年3月竣工)」は128室であり、100室以上のビジネスホテル開業は小樽市内では9年ぶりとなる。

カプセルホテル、ホステルからコンドミニアムや大型のホテルまで、また北海道から沖縄まで、多様なインバウンド向け施設を手掛けられるのが同社の強みである。宿泊施設については、基本的にオペレーションを運営会社へ外部委託し、同社には安定した固定賃料とともに契約によっては変動歩合での収入が入る。一定期間を経て安定稼働に至った段階で販売を行うスタイルだ。既にアジア投資家へのコンパクトホテルの売却実績もあり、シンガポール現地法人での海外投資家に向けた売却を拡大していく方針だ。

3. オペレーショナルアセット(宿泊施設などの)M&Aを積極展開の方針へ
同社では2016年にM&Aの検討を開始し、2017年1月にはカプセルホテルを展開するヴィエント・クリエーションを買収・連結化した経緯がある。運営会社を変更する、サウナを新設してリニューアルするなどにより再生を行っている。今後は、より積極的にホテル・宿泊施設の取得および再生を積極化させる方針だ。そのために、ホテル経営人材の増強、案件および不動産仕入れ方法の拡充、M&Aのノウハウ化、ホテルネットワーク継承などを具体的に進める。中期的にはホテルに限らず、介護施設、ゴルフ場、物流施設など様々なオペレーショナルアセット(運営の要素の強い不動産)がターゲットとなる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ビーロット Research Memo(5):今後はオペレーショナルアセット(宿泊施設などの)M&Aを積極展開の方針へ