フェローテックホールディングス<6890>は16日、2017年12月に子会社の上海申和熱磁電子有限公司の100%連結子会社として、半導体製造装置、FPD製造装置の部品の精密再生洗浄工場の中国における新規開設を目的に、中華人民共和国安徽省銅陵市に新会社(安徽富楽徳科技発展有限公司)を設立し、2018年3月28日に新工場の着工式を行ったと発表。

同社は2001年に中国上海において、半導体製造装置、FPD製造装置の部品の精密再生洗浄事業に参入して以来、天津、四川、大連へと順調に拠点を拡大してきた。また、最近は『中国製造2025※』に伴う中国政府による中国国内の半導体メーカー育成・強化の中で、微細化、3D化等の先端投資に応じて半導体製造装置の部品の洗浄頻度と要求精度が上昇しており、大手半導体デバイスメーカー及びFPDパネルメーカー並びに同製造装置メーカー各社から同社に対し、洗浄工場の新規拠点の開設要請が来ていた。

同社は、顧客との関係強化と洗浄事業の更なる拡大を図れる好機と捉え、近年半導体やFPDパネルメーカーの進出が著しい安徽省に5拠点目の洗浄工場を開設することとした。今回の工場新設により、同社は当該事業の中国における更なる市場シェアの拡大と収益力を向上させることが可能となる。さらに、中国における精密再生洗浄業界のNo.1サービスプロバイダーとしての地位をさらに強固なものにすることが期待されるだろう。

また、同社グループとしては、引き続き本精密再生洗浄事業を通して主力セグメントである半導体等装置関連事業の半導体製造装置部品(真空部品・マテリアル製品)の拡販に繋げて行きながら、同事業の比重をさらに上げていく考え。

なお、同社は2019年3月期の連結業績に与える影響は軽微と見込んでいるが、今後開示すべき事項が生じた場合には、速やかに公表するとのこと。


※中国製造2025:中国政府(国務院)が、「製造強国」を目指すべく、2015年5月19日に発表した将来における製造業発展のロードマップであり、2025年に向けて中国の製造力を世界トップ水準に引き上げる発展方針が打ち出されている。その中には、製造業のイノベーション能力の向上や情報化と工業化の高度な融合の推進をはじめとする九つの戦略任務と、次世代情報技術、高度なデジタル制御の工作機械とロボット、航空・宇宙設備などからなる十の重点分野が盛り込まれており、半導体については、先端ICとコア製造装置の国産化が主な方針として打ち出されている。



<TN>

情報提供元: FISCO
記事名:「 フェローテックHD---中国安徽省に洗浄事業新会社設立、新工場の着工式を実施。中国でのプレゼンスを更に高めたい考え