■要約

1. セグメントと特長
プロパスト<3236>は、総合不動産ディベロッパーで、セグメントは、分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業、その他の4つに分類される。2018年5月期第2四半期累計のセグメント別売上高の内訳は、分譲開発事業32.9%、賃貸開発事業29.0%、バリューアップ事業37.0%、その他1.1%、営業利益の内訳は、分譲開発事業18.9%、賃貸開発事業40.8%、バリューアップ事業35.2%、その他5.0%である。同社は、都心の立地の良い場所に特化した不動産業を展開しており、都市生活を満喫できるような高いデザイン性が大きな強みと言えるだろう。ほかのディベロッパーとは異なり、物件名はそれぞれのコンセプトをもとに名付けている。

競争の激しい首都圏のマンション市場をマーケットにしながら、同社では情報整理とスピーディな判断による「仕入力」、地域のポテンシャルを最大限に引き出し、地域特性や周辺環境と調和したコンセプトの空間を創造する「企画力」や「デザイン力」などの強みを発揮して、成長を続けてきた。

2. 2018年5月期第2四半期決算は大幅な増収増益決算
2018年5月期第2四半期には、バリューアップ事業や賃貸開発事業における新規物件の取得や保有物件の売却及び分譲開発事業の個別分譲販売を進めた結果、売上高は8,131百万円(前年同期比6.6%増)、営業利益701百万円(同19.9%増)、経常利益499百万円(同30.6%増)、四半期純利益572百万円(同57.0%増)と、大幅な増収増益決算となった。

セグメント別では、分譲開発事業では、売上高2,673百万円(前年同期比70.2%増)、セグメント利益225百万円(同41.5%増)となった。また、賃貸開発事業では、売上高2,356百万円(前年同期比98.3%増)、セグメント利益485百万円(同63.3%増)であった。さらに、バリューアップ事業では、売上高3,012百万円(前年同期比37.5%減)、セグメント利益419百万円(同25.6%減)となった。

事業拡大に伴う資産増加の結果、自己資本比率は15.5%と前年度末の15.7%からやや低下したものの、2013年5月期末の9.5%から大幅に上昇し、同社の安全性は着実に改善していると言える。また売上高営業利益率も8.6%と前年同期の7.7%を上回り、収益性も向上基調にある。

3. 2018年5月期業績は会社予想を上回る可能性大
2018年5月期の業績予想は、売上高15,500百万円(前期比4.2%増)、営業利益864百万円(同25.6%減)、経常利益601百万円(同25.0%減)、当期純利益521百万円(同1.9%増)である。第2四半期の好決算にもかかわらず同社では期初の通期予想を据え置いており、予想を上回る可能性が大きいと見られる。また、配当についても、1株当たり2.0円の当初計画を維持している。

4. 2019年5月期以降も堅調な業績を維持する見通し
同社のマーケットである首都圏のマンション市場では、新築マンションの1戸当たり平均価格は徐々に上昇傾向にあることで、マンション契約率は低下するなど、今後の事業環境は必ずしも楽観できないが、同社の強みである物件の仕入力に、定評のある企画力・デザイン力が加わることで、来期以降も堅調な業績を維持できると弊社では考える。

Key Points
・総合不動産ディベロッパー。分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業が3本柱。激しい競争の首都圏マンション市場で、「仕入力」、「企画力」、「デザイン力」など、同社の強みを発揮して成長を続けてきた。
・2018年5月期第2四半期業績は、売上高が前年同期比6.6%増の8,131百万円、営業利益が同19.9%増の701百万円と増収増益決算となった。
・2018年5月期の業績予想は期初計画どおり、売上高が前期比4.2%増の15,500百万円、営業利益は同25.6%減の864百万円と減益を予想するが、第2四半期の実績からは、かなり保守的な予想と言えるだろう。配当予想も1株当たり2.0円の期初計画を継続する。
・来期以降の事業環境は必ずしも楽観できないが、同社の強みである仕入力、企画力、デザイン力を生かすことで、堅調な業績を確保できるとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 プロパスト Research Memo(1):コンセプトとデザインで新しい住環境を提案、業績は急回復