■要約

明光ネットワークジャパン<4668>は、個別指導学習塾「明光義塾」の直営・FC事業を主軸に、サッカースクールや医科系予備校、学童保育、外国人向け日本語学校など各種教育サービスを展開する。フランチャイズの運営ノウハウに強みを持ち、高い収益性と好財務内容が特徴となっている。

1. 2018年8月期第1四半期業績はほぼ計画通りの進捗
1月10日付で発表された2018年8月期第1四半期(2017年9月-11月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.4%減の4,411百万円、営業利益が同26.2%減の401百万円とほぼ会社計画通りの進捗となった。少子化や個別指導塾間の競争激化により、主力の明光義塾事業(FC事業含む)の生徒数が減少していることが減収減益要因となっている。2017年11月末の教室数は前年同期比1.5%減の2,069教室、生徒数は同4.4%減の131,067人となった。一方、日本語学校事業やキッズ事業は生徒数の増加により、増収増益基調が続いている。

2. 明光義塾事業の再成長戦略を推進中
同社では、明光義塾事業の再成長を図るため、新しい指導メソッドである「MEIKO式コーチング」の導入を2018年春より本格的に展開していく計画としている。「MEIKO式コーチング」とは、講師が生徒に教え込むのではなく、講師のサポートを受けて生徒が自ら考え、理解した内容を自らの言葉で講師に説明することにより、学習の理解度をより高めるという学習指導法であり、コーチングの手法を取り入れたものである。これは、同社の学習指導法を、同社が掲げている「自立学習」という教育理念に従い、生徒の主体的な学びをより一層促すものへと進化させたものである。2018年1月よりヘッドコーチとして体操選手の内村航平氏を起用し、テレビCMなど積極的なプロモーション活動を展開していく予定だ。

3. 2018年8月期は増収減益見込みだが、下期以降は増益に転じる見通し
2018年8月期の連結業績は、売上高が前期比5.3%増の20,415百万円、営業利益が同23.1%減の2,011百万円と期初計画を据え置いている。第2四半期(2017年12月-2018年2月)も明光義塾事業の生徒数減少が続くほか、テレビCMやインターネットを活用した戦略的な広告費用約6億円を集中的に投下するため減益となるが、第3四半期以降は生徒数の回復によって増収増益に転じる計画となっている。明光義塾の期中平均生徒数は、前期比約2%増と3期ぶりの増加を見込んでいる。このため、2018年8月期の業績を見るうえでは、第3四半期末(2018年5月)の生徒数がどの程度回復しているかが重要なポイントとなってくる。

4. 株主還元は引き続き積極的で、連続増配を継続方針
株主還元については積極的に実施していく方針に変わりない。2018年8月期は減益予想ながらも、1 株当たり配当金は前期比2.0円増配の42.0円と上場来の連続増配を継続する予定となっている。また、株主優待では8月末の株主に対して保有株数、継続保有期間によって1,000~5,000円相当のQUOカードを贈呈している。株主優待も含めた単元当たりの投資利回りは、現在の株価水準(1月29日時点で1,339円)で4~5%の水準となる。

■Key Points
・2018年春の新規生徒募集シーズンに向けて積極的なプロモーション活動を展開
・「MEIKO式コーチング」の浸透による差別化戦略と、学習コンテンツの拡充により再成長軌道に乗せる
・明光義塾の再成長と新規事業の育成により、2020年8月期に営業利益36億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 明光ネット Research Memo(1):差別化戦略・プロモーション展開により、18年春以降の生徒数回復を目指す